大型台風11号が先島に最接近 アウターバンドで沖縄本島も暴風雨警戒

ウェザーニュース

9月3日(土)22時の推定で、大型で強い勢力の台風11号（ヒンナムノー）は先島諸島に最接近し、石垣島と宮古島の間を北上しています。

22時00分までの最大瞬間風速は宮古島で31.5m/s、多良間村・仲筋で30.3m/s、那覇市で27.6m/sを観測。台風の中心だけではなく、少し離れた沖縄本島でも風が強い状況です。

雨雲レーダーを見ると、台風の中心やその南側に活発な雨雲が目立っています。さらに北東側にはアウターバンドと呼ばれる発達した雨雲の帯が形成されています。中心が近くを通る先島諸島だけではなく、アウターバンドの影響を受ける沖縄本島や奄美地方でも暴風雨に警戒が必要です。

▼台風11号　9月3日(土)22時推定
　中心位置　　　宮古島の南西約60km
　大きさ階級　　大型
　強さ階級　　　強い
　移動　　　　　北　15 km/h
　中心気圧　　　955 hPa
　最大風速　　　40 m/s (中心付近)
　最大瞬間風速　60 m/s
　暴風域半径　　130 km (東側150km, 西側110 km)
　強風域半径　　605 km (南東側650 km, 北西側560 km)

今夜いっぱいは厳重な警戒が必要

大型であることと台風の動きが遅いことで、先島諸島では明日4日(日)の午前中いっぱい、暴風域に入ったままとなる可能性があります。

総雨量が400mmに達するような大雨や、瞬間的に60m/sを超えるような暴風のおそれがあり、今夜は厳重な警戒が必要です。

明日も午前中を中心に風雨が強く、外出するのが危険な時間が長くなるとみられます。荒天が落ち着くまで安全な場所で過ごすようにしてください。

台風は東シナ海で発達する予想

台風11号の進路予想

台風11号は先島諸島を通過した後、東シナ海を北上する予想となっています。東シナ海の海水温が30℃前後と高く、上空の風の流れが発達に適した条件となるためしばらくは発達を続け、4日(日)午後から5日(月)夜は中心付近の最大風速が45m/sと非常に強い勢力となる見込みです。

その後は北東に進路を変えて、朝鮮半島南部を通って日本海に進むとみられます。日本海に達する6日(火)の日中でも最大風速は35～40m/sが予想され、強い勢力を保ちます。

台風が離れて通っても風は強まる

6日(火)昼の上空の風の予想

中心が九州から少し離れた通るため、暴風域に入る地域は限定的です。それでも6日(火)昼頃の上空の風の予想を見ると、台風が朝鮮半島付近に進む時点で、西日本から東海、北陸にかけて風が強まる見込みです。

海峡周辺やおろし風など、地形の影響で南寄りの風が吹き抜けやすい地域では、瞬間的に30m/s前後の暴風となる可能性があります。鉄道など交通機関への影響も考えられますので、移動を予定されている方は、気象情報に加え、運行情報もご確認ください。

台風が温帯低気圧に変わりながら日本海北部に進む、7日(水)にかけて全国の広い範囲で強風や短時間強雨に警戒が必要です。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風11号の名前「ヒンナムノー（Hinnamnor）」はラオスが提案した名称で、国立保護区の名前が由来です。

参考資料など

気象衛星可視画像：NICT-情報通信研究機構