台風14号は中国地方へ、西日本は災害発生に警戒 長引く影響に注意

ウェザーニュース

9月19日(月)10時、大型の台風14号（ナンマドル）は、山口県下関市付近を北北東に進んでいると推定されます。九州と中国・四国の一部が暴風域に入っている状況です。

台風14号はこの先徐々に東寄りに進路を変えて、山陰の日本海沿岸に向かう予報です。あまりスピードを早めない見通しですので、長引く影響に注意が必要です。

三連休明けの20日(火)は東日本・北日本方面に台風が進み、通勤・通学の時間帯は北陸や東海、関東などで荒天となることが想定されます。気象庁が「暴風警報を発表する可能性が高い」としている地域も多くあるため、連休明けも警戒が欠かせません。

▼台風14号　9月19日(月)10時推定
　中心位置　　　下関市付近
　大きさ階級　　大型
　強さ階級　　　／／
　移動　　　　　北北東　15 km/h
　中心気圧　　　975 hPa
　最大風速　　　30 m/s
　最大瞬間風速　45 m/s

福岡県は台風の目に、広範囲で風が吹き荒れる

福岡県や佐賀県など九州北部では台風の中心が離れつつあるものの、吹き返しの北風が強く吹くため、このあとも油断ができません。建物への被害や長時間の停電などに警戒をしてください。

台風の北上・接近に伴って中国四国でも風が強まっていて、朝までに愛媛県四国中央では47.4 m/sの最大瞬間風速を観測。また、9時現在でも高知県の室戸岬で22.0m/s、愛媛県瀬戸で22.6m/sの最大風速を観測しました。

20日(火)にかけては東日本、北日本を含む全国の広い範囲で暴風や強風のおそれがあります。すでに鉄道の運転見合わせが決まるなど、各地で交通機関への影響が出ています。三連休中や連休明けに移動を予定している方は、台風情報に加えて最新の交通情報の確認も必要です。

西日本で高潮の可能性、台風から離れていても油断禁物

台風14号の中心気圧が低いことで吸い上げ効果が高くなる見通しです。

猛烈な風が海から吹き付ける地域は、吹き寄せの効果によって急激な潮位の上昇が懸念されます。九州の太平洋側や周防灘周辺などは平常時より1m以上、潮位の高くなっている所があります。午後には兵庫県の瀬戸内海側などで浸水に警戒が必要です。

また、潮位の上昇によって河川が逆流し、海から少し離れた所でも影響の出る可能性がありますので、油断をしないでください。

48時間雨量は800mmを超える

48時間積算雨量

17日(土)昼前から雨が強まった宮崎県内では今朝までに800mmを越える雨量となっています。48時間の総雨量は、宮崎県美郷町の神門（みかど）で852.0mm、宮崎県えびの市・えびの高原で819.0mmを観測しています。

また、四国でも雨量がかさみ、高知県梼原町では600mmを超えています。今日の日中いっぱいは激しい雨が断続的に降る見込みです。各地で河川の水位が上昇し、土砂災害の危険度も高まっている状況です。大きな災害が発生してもおかしくない状況ですので、厳重に警戒をしてください。

連休明けの通勤・通学時間帯は関東など影響か

20日(火)朝の雨雲の予想

台風14号は、午後になると東寄りに進む予想となっています。現時点で連休明けの明日20日(火)朝の通勤・通学時間帯は、東海や北陸、関東などで風雨が強まる見込みです。

九州への接近時に比べると台風の勢力は弱まるものの、沿岸部を中心に強い風が吹き荒れ、局地的には激しい雨が降る予想です。通勤・通学に影響の出る可能性があります。

台風の速度や進路の変化によっては風雨が強まるエリアが変化しますので、できるだけ最新の情報を確認するようにしてください。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風14号の名前「ナンマドル（Nanmadol）」はミクロネシアが提案した名称で、有名な遺跡の名前からとられています。