九州を縦断した「台風の目」 その軌跡が捉えた台風14号の特徴
ウェザーニュース / 2022年9月21日 11時10分
9月18日(日)から19日(月)にかけて、台風14号が通過した地域の「ウェザーニュース」アプリ利用者に「台風の目に入った」かどうかアンケート調査を行いました。
台風の目の軌跡・速度など分析を通じて、風の強弱の分布など詳細な台風14号の特徴をリアルタイムに捉えることができました。調査から明らかになったことを振り返ります。
(※回答数11,474 回答項目「入ってない(強風が継続)」「入った(風が急に静かに)」「目から抜けた(再び強風に)」)
(1)台風の目は九州縦断し、山陰へ
回答結果を地図上でみてみると、時間の経過と伴に「台風の目に入った」という報告(ピンク)が鹿児島県から届き始め、九州を縦断し、福岡県を通過して山口県から島根県へと進む様子がわかります。
(2)北上とともに「台風の目」が拡大
台風の目に入った面積は、上陸した鹿児島県周辺では小さくまとまっていましたが、九州を北上するに連れて大きく広がりました。
台風の目が大きいことは台風の構造が崩れてきたことを示しています。
(3)台風減速、福岡周辺は長時間目の中に
福岡県周辺は台風の目の中にいる時間が長くなりました。「目の中に入った」というピンク色の報告が19日深夜2時台から午前11時台にかけて届き続けました。
これは台風が転向する際、進行速度が遅くなったことを示しています。九州北部での時速は15kmで、秋台風としてはとりわけ遅いものでした。東に向きを変えて19日(月)の昼過ぎにようやく加速し、秋台風の特徴が出始めました。
(4)吹き返しの強風を捉えた
台風の目を抜けた地域ではピンク色から緑色の報告に置き換わり、台風の中心が離れた後は「吹き返しの風」が強く吹く様子を捉えることができました。
福岡市中央区では最大瞬間風速28.7m/sの暴風を台風通過後の19日(月)13時40分に観測しました。福岡市の風速データを時系列でみてみると、台風の最接近前より吹き返しの風のほうが強かったことがわかります。
福岡市の風速データ(気象庁アメダス)
台風の目が大きいということは、風の弱い領域が大きいということです。つまり比較的風が弱い状況が何時間も続き、油断し始める頃に吹きかえしの風が強まるという特徴が見られました。
このようにアプリ利用者と台風の目を追うことを通じて、風の強弱の変化が詳細に確認でき、台風14号の特徴をリアルタイムで捉えることができました。
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