静岡県 台風15号の記録的大雨で大きな被害 シアーラインが鍵に
ウェザーニュース / 2022年9月24日 10時35分
台風15号の接近で東海地方は静岡県を中心に記録的な大雨となりました。静岡市では400mmを超える雨を観測。台風の北側に形成された明瞭なシアーラインが大きな影響を及ぼしたとみられます。
三重県南部から静岡県で雨量が多い
台風15号は勢力はそれほど強くなかったものの、中心の北東側に活発な雨雲が広がり、東海地方の各地で大雨となりました。
24日(土)6時までの48時間雨量の分布を見ると、三重県南部から愛知県東部、静岡県にかけて200mm以上の雨が降り、特に静岡県内の広範囲で300mm以上です。
台風の中心は東海地方の沖合を進んでいましたので、今回は台風から離れていたにも関わらず雨量が多くなっていることがわかります。
8時間で400mm近い雨
静岡の時間雨量
総雨量が400mmを超えた静岡市の時間別の雨量では、23日(金)の20時に41.5mm/hと雨が強まり始め、24日(土)2時に107.0mm/hと雨のピークになりました。
雨が激しかった時間は約8時間ほどで、この間に総雨量419.5mmの9割以上に当たる392.5mmの雨を観測しています。緊急安全確保が発令された浜松市や磐田市なども、激しい雨の継続時間は6~8時間となっており、比較的短い時間で大量の雨が降ったことで、大規模な浸水や河川増水、氾濫などの大きな被害につながったとみられます。
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シアーライン周辺で雨雲が発達
風の流れの解析図
今回の大雨のポイントになったのは、台風から北側に伸びるシアーライン(風の流れが変化する境界線)の存在です。
シアーラインは23日(金)の朝、紀伊半島の南部にかかり、台風とともに東進しました。静岡市で雨のピークとなった24日(土)2時の風の解析図では、南南東の風と北北西の風が衝突するシアーラインが台風の中心付近から静岡方面にのびています。南南東の風は大量の水蒸気を強く送り込んで、シアーライン周辺で雨雲が発達させました。
また、上空の強い西風である偏西風は日本海から北日本方面に吹いていたため、台風の速度が15~20kmに留まり、シアーライン周辺の雨雲の移動が遅かったことも、雨量の増加につながったとみられます。
静岡県内の大雨は今朝までに峠を越えましたが、依然として川の水位は高く、急な斜面では土砂災害が発生しやすい状況です。しばらくは危険な場所に近づかないようにしてください。
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