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カメムシが大量発生する時期 ニオイを出さない駆除方法とは

ウェザーニュース / 2022年10月19日 11時30分

ウェザーニュース

ニオイが強烈なカメムシは、秋に見かけることの多い困りものです。ところが「臭いのはカメムシの一部」と、虫ケア用品最大手のアース製薬は言います。しかも、カメムシ自身もあのニオイは苦手だといいます。意外な生態から駆除のポイントまで教えていただきます。

カメムシが臭い理由とは

秋が深まるにつれ、ちょっと憂鬱なのがカメムシの存在です。いつの間にか洗濯物や布団について、ニオイやシミがつくことがあります。

カメムシがニオイを放つ理由は2つあるそうです。

「まず、カメムシは身の危険を感じると液体状の分泌物を放出します。分泌物の組成はカメムシの種類や成長段階によっても異なりますが、主成分はヘキサナール、ヘキセナール等のアルデヒド類で刺激性があります。

実はカメムシ自身もこのニオイには弱いのです。効力試験でカメムシをカップに入れておいたところ、彼ら自身が放出したニオイが原因で死んでしまったことがありました。通気穴が小さすぎて自家中毒を起こしたようです」

身を守る術が自分自身にとっても“危険”なニオイとは意外です。しかも、悪臭被害を出すようなカメムシは実は少数派だといいます。

「ニオイを放つもう1つの理由は、カメムシはニオイを仲間同士のコミュニケーションに役立てていることです。普段出しているわずかなニオイで同じ種類同士が集まることができたり、外敵に襲われそうな時には強いニオイを出して周りに知らせています」

カメムシはあのニオイを上手に活用しているようです。

「カメムシとはカメムシ目のいくつかの科に属する虫の総称で、日本だけでも約1,300種います。大きな特徴としては、硬い部分と柔らかい部分に分かれている翅(はね)があり、ストロー状の細長い口針を持っています。食性は植食性から肉食性、菌食性と多岐にわたり、生息場所も水域から土中まで様々です」

肉食のカメムシのなかには害虫を食べる益虫もいるといいます。ただ、人の生活圏と重なると問題になってきます。

「よく家庭に出現して困るのは、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、ミナミアオカメムシ、アオクサカメムシ、マルカメムシ、スコットカメムシなどです。彼らの多くは、農作物や果物を食害したり、スギやヒノキ、ミズナラ、ブナなどをエサとしていて身近にいます」

秋はカメムシのシーズン?

秋に、カメムシが家の周囲などにたくさん集まって来るのは、なぜなのでしょうか。

「カメムシは、越冬期間以外はほぼ1年中見られる虫です。夏は夜間灯りに引き寄せられるので、網戸や玄関回りに集まってくることが多いのです。

秋に大量発生しているように感じるのは、越冬場所を探して一斉に移動することがあるからと考えられます。また、カメムシは暖かい場所や明るい色を好むため、洗濯物を干しているとシーツやバスタオル、ワイシャツなど白いものによく付着します。晩秋になると、心地よい越冬場所を探索するために屋内に侵入してくることもあります」

ニオイを出さないための工夫とは

家の中や洗濯物・布団などにカメムシを見つけた場合の駆除ポイントは、刺激を与えないこと、ニオイを出すスキを与えないことだそうです。

「カメムシがニオイを放出するのは身の危険を感じたときなので、手で払ったりして刺激を与えないようにしましょう。洗濯物や靴の中に紛れ込んでいて、気づかず触ったり、踏んだりしてしまった時も要注意です。叩くとカメムシの分泌物で洗濯物や布団などが汚れる恐れもあるので、注意してください」

家の中に侵入したときには、とにかく刺激を与えずに外に出すようにしましょう。たとえばティッシュペーパーなどをカメムシに近づけて、カメムシがつかんだらティッシュペーパーごとポリ袋に入れたり、そっと外に逃がすのが良さそうです。

ガムテープでの捕獲は!?

その他にもガムテープを使って捕獲する人も多いようですが、「勢いよく行うと、臭いを出すので注意が必要です」(同研究部・有吉立さん)と話し、次のように続けます。

「カメムシのニオイは、成虫の場合お腹側から出るので、もしガムテープを使う場合は背中側から刺激を与えずそっとガムテープに付けてから包むと良いでしょう」

苦手な人には、カメムシ専用の駆除スプレーもあるようです。

「カメムシ専用の駆除スプレーは、冷却成分でニオイを出す間もなく、カメムシの動きを瞬時に止めて、有効成分のベンジルアルコールでダメ押しする仕組みになっています。ベンジルアルコールは食品にも使用されている成分なので、洗濯物や布団にも安心して使用できます」

洗濯物についてしまったら

気づかずにカメムシに触ってしまったり、洗濯物などシミになることもあります。

「直接皮膚についた場合、軽い皮膚炎が生じることがあります。もし誤ってカメムシに触れてしまったら、すぐに石鹸で洗い流すようにしましょう。

なお、カメムシの分泌物は油に溶けやすい性質があるので、サラダ油などをなじませてから石鹸で洗い流すとニオイが消えやすくなるようです。

洗濯物は、界面活性剤を使った一般的な洗剤で洗えば、ニオイも問題なく落ちます」

正しい駆除方法なら、やっかいなカメムシのニオイ被害も減らせそうです。

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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