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★11月の天体イベント★ 日本全国で皆既月食 流星群や月と惑星の接近も

ウェザーニュース / 2022年11月2日 16時45分

ウェザーニュース

11月は日本全国で「皆既月食」が起こります。また、非常に珍しい月食中の天王星食もあるため注目です。

明るい惑星と月の接近や、おうし座流星群、しし座流星群も出現します。晴れた日の夜は、暖かくして天体感想をお楽しみください。

月が土星と木星に接近

11月1日~6日20時頃 南の空(東京)

11月も「土星」と「木星」が夜空で明るく輝きます。夏から秋の序盤にかけて見頃を迎えた2つの惑星は、段々と沈む時間が早くなってきましたが、まだまだ夜空で目立つ存在です。

土星と木星の近くでは、みなみのうお座の「フォーマルハウト」も輝いています。秋の夜空で唯一の1等星のため「南のひとつ星」とも呼ばれる星です。ただ、今年は土星と木星もそばで輝く姿を楽しめています。

11月の初旬には、月が土星と木星の近くを通過していくため注目です。月は1日(火)~2日(水)には土星に、4日(金)~5日(土)には木星に近づきます。

▼沈む時刻(東京)
・月と土星が接近
1日(火) 月 22:57、土星 23:38、木星 26:57
2日(水) 月 24:08、土星 23:34、木星 26:52
・月と木星が接近
4日(金) 月 26:24、土星 23:26、木星 26:44
5日(土) 月 27:29、土星 23:22、木星 26:40

再び月が土星と木星に接近

11月28日~12月2日18時頃 南の空(東京)

11月の終わりから12月の初めにかけて、再び月が土星と木星の近くを通過していきます。

29日(火)夜には月と土星が、12月2日(金)夜には月と木星が接近するため注目です。

▼沈む時刻(東京)
・月と土星が接近
29日(火) 月 21:59、土星 21:53、木星 25:03
・月と木星が接近
12月2日(金) 月 25:21、土星 21:42、木星 24:51

日本全国で「皆既月食」

11月8日 月食の動きと時刻(東京)

11月8日(火)夜、日本全国で「皆既月食」が起こります。皆既月食は、月が地球の影に完全に隠されて、赤黒く変色した満月が見られる天体現象です。

月食は全国どこでも同じタイミングに起こります。今回は月が地球の影の中心近くを通るため、皆既食の時間は比較的長くなる見込みです。皆既食の始まりから終わりまで、約86分間に渡って皆既食を見ることができます。

▼月食の時刻(全国共通)
部分食の始まり 18時08.9分
皆既食の始まり 19時16.3分
皆既食の最大  19時59.2分
皆既食の終わり 20時42.0分
部分食の終わり 21時49.4分


西のエリアほど月が昇るのは遅く、西日本では部分食の開始時は月の高度はまだ低めです。部分食のはじめから観測する場合は、空の開けた場所からお楽しみください。

次回、日本で皆既月食が見られるのは2025年9月8日で、約3年後となります。

月食中に「天王星食」

11月8日 天王星食の予報(東京)

月食の最中に、月が天王星を隠す「天王星食」が起こります。小笠原諸島を除く日本の多くのエリアで見ることができる見込みです。なお、天皇食の起こる時刻は地域によって異なります。

▼天王星食の時刻と月の欠け具合
・那覇 潜入開始 20時13分(部分食中)
    出現開始 20時54分(部分食中)
・東京 潜入開始 20時41分(皆既食中)
    出現開始 21時22分(部分食中)
・札幌 潜入開始 20時49分(皆既食中)
    出現開始 21時47分(部分食中)


天王星食の現象は珍しいものではありませんが、月食の最中に起こることはめったにありません。アストロアーツによると、次回は2106年の部分月食で、皆既月食となると2235年までないとのことです(全惑星食が対象)。

天王星は約6等級で、薄い青色に見えます。肉眼で見るには厳しい明るさのため、双眼鏡や望遠鏡を使ってお楽しみください。

11月の満月、英語で“Berver Moon”

農事暦における満月の呼び方

11月の月は、8日(火)20時2分頃に「満月」の瞬間を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前をつけていました。

11月は、ネイティブアメリカンがビーバーを捕まえるワナを仕掛ける時期という説と、ビーバーが冬の為のダム作りを始める時期という2つの説から、ビーバームーンと名づけられたとか。同じまるい月でも、季節感が感じられますね。

月と火星が大接近

11月11日22時頃 東の空(東京)

12月1日(木)に地球と最接近する「火星」は、空に昇るのが早くなってきていて、明るさが段々と増しています。冬の星座の明るい恒星たちも輝きますが、火星はその中でも群を抜いた明るさと赤い色で目を引きそうです。

11日(金)夜~12日(土)明け方には、月が火星と接近します。明るい月と火星の接近で賑わう夜空をお楽しみください。

▼昇る時刻(東京)
11日(金) 月 18:23、火星 18:36

おうし座北流星群が極大

12日22時頃 東の空(東京)

11月13日(日)3時頃に「おうし座北流星群」が活動の極大を迎えます。

おうし座流星群には「北群」と「南群」の2つがあり、毎年10月中旬~11月中旬頃に出現します。11月に活動の極大を迎えるのは「北群」の方ですが、出現のピークは非常になだらかなため、出現期間中で天気の良い日に夜空を見上げてみてください。

放射点(※)のあるおうし座は17時~18時頃(東京)から東の空に昇りはじめ、夜が更けると共に空の高くに昇ってきます。
※放射点:流れ星(群流星)が飛び出してくるように見える天球上の点。

火球の割合が高い流星群ですが、アストロアーツによると今年は火球の割合が例年以上に高い可能性もあるとのことです。

流星の数は、2つの群を合計しても1時間あたり最大で5個~10個ほどの小規模な流星群ですので、見えたらラッキーと思って流星観測をお楽しみください。

しし座流星群が極大

18日2時頃 東の空(東京)

11月18日(金)8時頃に「しし座流星群」が活動の極大を迎えます。一番の見頃は18日(金)未明~明け方です。

しし座流星群は、約33年ごとに流星嵐のチャンスがあるとされている流星群です。1999年や2001年の大出現が有名な流星群ですが、例年の出現数は少ない傾向にあります。次に大規模な出現が予想されているのは2030年代とのことです。

17日(木)は、放射点のあるしし座が23時頃から空に昇りはじめます(東京)。同じタイミングで月も姿を現すため、今回は月明かりの影響を受けて観測条件は良くありません。アストロアーツによると、流星の数はピーク時でも1時間あたり数個程度とのことです。

見えたらラッキーくらいの気持ちで、月から離れたところをぼんやり眺めるようにして、流星観測をお楽しみください。

参考資料など

国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/

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