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冬の電力ひっ迫に備えた最新家電の選び方

ウェザーニュース / 2022年11月6日 5時0分

ウェザーニュース

冬が近づき暖房のエアコンなど家電製品の本格的な「出番」も間もなくです。

政府は11月1日に、全国の家庭や企業に対して今冬(12月1日〜2023年3月末)の節電を要請することを決めました。数値目標は設けずに無理のない範囲で協力を求める形ですが、消費電力を抑えることはこの冬の大きな課題となっています。

そんな中、最新の家電製品は省エネ性が高められていますので、これを機に古い製品から買い替えるのも省エネ対策の選択肢の一つです。

ウェザーニュースでは、「自宅の冷蔵庫、何年使っている?」というアンケート調査を実施したところ、「10年以上」の回答が全体の41%を占め、「4〜10年」と並んで最も多い割合となりました。

ウェザーニュース調べ

10年で家電の省エネ性能はどのくらい進化しているのでしょうか。環境省や資源エネルギー庁などの資料を基に「消費電力量の比較」や「最新家電の選び方」についてまとめてみました。

電力消費割合の高い家電は?

冬の家電製品別の電力消費割合

資源エネルギー庁によると、冬季の家庭における1世帯1日あたりの電力消費量(2018年度)は14.2kWとのことです。

そのうち32.7%が「エアコン」、14.9%が「冷蔵庫」、9.3%が「照明」、12.5%が「給湯」、「テレビ・DVD」が4.2%となっています。エアコンと冷蔵庫だけで全体の半分近くを占めていることが分かります。

こうした家庭でよく使う家電製品が10年前の製品と比べて、どの程度の省エネ効果を発揮しているのか、一般財団法人家電製品協会の資料から比較してみました。

10年前の家電と比べた省エネ効果

冷蔵庫=37~43%の省エネ効果

冷蔵庫の場合、2011年製の年間電力消費量は440~500kWh/年ですが、2021年製だと269kWh/年。つまり約39~46%の省エネ効果があるといいます(※)。

家電製品協会は最新の冷蔵庫について、大容量で収容能力が多いうえに省スペースが実現され、鮮度が長持ちして使いやすいなどのメリットを挙げています。また、省エネにつながる冷蔵庫の選び方として、家族の人数や買い置きの量などに応じて容量を選ぶことを勧めています。

「容量が大きいからといって必ずしも年間電力消費量が増えるとは限らない」とのこと。冷蔵庫に詰め込みすぎると無駄な電力消費が増えることもあるようです。一般的な目安として、3人家族なら430~480L、5人家族なら500~550Lの冷蔵庫が適当としています。

さらに、省エネ効果を高めるためには、本体サイズの放熱スペースを加えた設置スペースを確保し、側面や上面に十分な空きを取ることが必要だそうです。もちろん、買い替えた冷蔵庫が実際に運び込めるかどうかのチェックも忘れずに。

(※)定格内容積401~450Lの製品で比較

エアコン=10%の省エネ効果

続いて、夏場と同様に寒い時期に使用頻度が増えるエアコンについて見てみましょう。コロナ禍の影響で在宅時間が増える昨今は、さらに使用機会も多くなりがちです。

エアコンの場合、2011年製に比べて2021年製では、期間消費電力量が923kWh/年から815Wh/年となり、約12%の省エネ効果があるそうです(※)。

エアコンもライフスタイルや家族の人数に合わせて大きさや機能を選ぶことが省エネにつながるといいます。

機種により値は異なるものの、製品カタログなどに「おもに10畳用」と記載されている製品を暖房として使用する場合、木造南向き和室は8畳、鉄筋南向き洋室は10畳が目安とされているそうです。

また、最新のエアコンには、自動クリーニング機能や、空気清浄機能はもちろん、高性能センサーやAI(人工知能)で部屋の状況を学習し、必要なエリアのみを暖めることで節電する製品なども販売されています。最新のエアコンは「高機能&省エネ」が特長とされているのです。

(※)冷暖房兼用・壁掛け形・冷房能力2.8kWの製品で比較

テレビ=32型で31%、40型なら42%の省エネ効果

最新のテレビも省エネ効果が高くなっています。

32V型液晶テレビの場合、年間消費電力量は2010年製の81kWh/年から2020年製の56kWh/年へ約31%、40V型液晶テレビだと144kWh/年から83kWh/年へ約42%もの省エネ効果が生じるそうです。

一般的に画面サイズが大きくなったり、複数の機能を備えているテレビほど、年間消費電力量は大きくなると説明しています。画面の大きさや画素数、動画表示速度などが同じであれば、製品に表示された「省エネ基準達成率」が高いほど省エネ性に優れているのです。

また、最新のテレビはリモコンでオフにした状態の待機時の消費電力も少なく、明るさセンサーやオフタイマー、無操作自動オフなどの省電力機能を搭載した機種も多くあるそうです。

そのほか、日照時間が短い冬場に使用時間が長くなりがちな照明のLED化も、省エネ効果を高めます。

家電製品協会によると、蛍光灯シーリングライトからLEDシーリングライトに取り替えると、年間消費電力量は136 kWh/年から68 kWh/年へ約50%、白熱電球から電球形LEDランプへの取り換えだと108kWh/年から15kWh/年へ約86%もの省エネになるそうです。

2021年のパリにおけるCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締結会議)の指針を踏まえて、日本政府は2030年度の家庭部門で必要なCO2削減比率を2013年比66%に設定しています。

電力ひっ迫が懸念されている冬に向けて、各家庭でも古くなった家電製品の更新を考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料など

一般財団法人家電製品協会「スマートライフおすすめBOOK」、経済産業省資源エネルギー庁「家庭でできる省エネ」、環境省「みんなでおうち快適化チャレンジ」

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