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秋に注意したいドライマウス、気づかぬうちに罹患していることも?

ウェザーニュース / 2022年11月11日 5時0分

ウェザーニュース

秋から冬にかけて空気が乾燥した日々が続きますが、口の中が乾くことはありませんか?

この時期に発症が多い病気の一つがドライマウス(口腔乾燥症)です。潜在患者を含め実は4人に1人もの割合で罹患(りかん)する隠れた現代病ともいわれています。その病態と対策を松本歯科大学病院口腔外科の栗原祐史先生に聞きました。

4人に1人が罹患する歯科疾患

「ドライマウスとは、唾液の分泌量が減り、口が乾きやすくなる疾患です。国内の患者数は約800万人、予備軍は約3000万人と推定され、つまり4人に1人がかかることになります。

65歳以上が30%を占め、女性に多く見られます。口腔乾燥を訴える人はさらに増え続ける傾向にありますが、この病気についての認知度はまだまだ低いのが実情です」(栗原先生)

放置しておくとさまざまな悪影響が

空気が乾燥する秋から冬にかけて発症が多く見られるそうです。

「暑い夏は水分をよく摂るのに比べ、秋になると水分摂取量が減ってしまい口の中が乾きやすくなるのも患者数の増加の一因でしょう」(栗原先生)

また、昨今は欠かすことのできないマスクの影響もあるといいます。

「マスク着用によって呼吸がしづらくなり、口呼吸になりがちです。それによって口の中が乾燥し、ドライマウスを誘発することもあります」(栗原先生)

ドライマウスの自覚症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

「口が乾く、ビスケットなどの乾いた食品が飲み込みにくい、唾液がネバつく、舌の痛み、味覚異常などを頻繁に感じるようになれば、注意してください。

罹患後は、虫歯や歯周病の重症化、口臭の悪化、感染症のリスク増加、口角炎、摂食嚥下障害、カンジダ症(真菌によって生じる感染症)などを引き起こす可能性もあります」(栗原先生)

口の中の異常は病気のシグナル

ドライマウスの原因は、自己免疫疾患の一種であるシェーグレン症候群をはじめ、糖尿病や腎臓病、高血圧症などの病気によるものがあるそうです。

「他にも、アレルギーの薬や抗うつ剤、血圧降下剤などの薬の副作用、ストレス、口呼吸、加齢による唾液量の減少なども考えられます。

単に口の中が乾くだけ、と軽く見てはいけません。口の中の異常は、体のどこかの病気を知らせてくれるシグナルと考え、ドライマウスの症状が出たら、ほかの病気を疑ってみましょう。

また、唾液には、口の中を正常な状態に保ち、雑菌の繁殖を抑え、飲み込みの助けをするなどの重要な働きがありますが、分泌量が減るとそれらの働きが衰え、さまざまな影響を及ぼすので、早めの対策が必要です」(栗原先生)

ドライマウスの予防と対策

栗原先生はドライマウスの対策として次のことを教えてくれました。

▼唾液腺をマッサージする
▼口腔保湿ジェルや保湿効果のある洗口液を用いる
▼よく噛んで食事をし、唾液の分泌を促す
▼鼻呼吸を心がける(鼻呼吸することで口の中の潤いを保つ助けとなる。夜間に口が乾く人は、口にマウステーピングをして寝るのもおすすめ)
▼口渇を促進させるカフェイン、タバコ、アルコールを控える

ドライマウスは、自然に改善されるものではありません。口がいつも乾いているという自覚がある人は、早めに歯科を受診して相談してみましょう。

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