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色づき方で呼び方が変わる「もみじ」と「かえで」

ウェザーニュース / 2022年11月14日 10時30分

ウェザーニュース

紅葉前線が南下し、東日本と西日本では平野部でも紅葉が色付きはじめ、京都市内でも赤や黄色が目立ってきました。ところで、「もみじ」と「かえで」の違いをご存知ですか。

「もみじ」は動詞「もみづ」が語源

「『もみじ』の語源は動詞で、反物(たんもの=着物の生地)を植物の色素で染め、揉みだして、それが水中に染み出す様子を『もみづ』と古くから表現していたそうです。

秋になって紅葉した樹木の葉が赤や黄色に染まっていく様子をこの『もみづ』に例えて、紅葉した葉を総称し『もみじ』と呼ぶようになったと思われます。一方、『かえで』は葉の形が蛙の手に似ていることから、<かえるで→かえで>となったもので、葉の形状から命名された由来があります」というのは、株式会社もみじかえで研究所代表の本間篤史さんです。

つまり、「もみじ」は紅葉する樹木の総称なので、秋になって葉が赤く色づく桜を「桜もみじ」ということがあります。それに対して「かえで」は葉が蛙の手の形状をした樹木なので、両者のカテゴリーが違っていたのです。

植物学的には「もみじ」はカエデ属

植物学的にいうと、「もみじ」はカエデ属に分類されています。

「カエデ属という大きなくくりの中に、モミジという種があるという理解でよいと思います。つまり、分類学的にはカエデ属の中にイタヤカエデ、ハウチワカエデなどと並んでイロハモミジ、オオモミジがあるのです。

ちなみに、外国ではカエデ属植物はすべてmaple(メープル)と呼ばれ、『もみじ』はJapanese maple(日本のカエデ)と英語圏では表現されます」(本間さん)

日本のカエデ属植物の代表はイロハモミジ

「日本のカエデ属植物として代表されるのはイロハモミジです。福島県以南の山野に自生しているほか、園芸品種として品種改良、栽培もされています。『もみじ』はカエデ属の一種と、紅葉した樹木の2つの意味があるのです」(本間さん)

紅葉していないイタヤカエデやハウチワカエデは植物学的には「もみじ」とは呼びません。しかし、紅葉を見に行って、それがイタヤカエデでもハウチワカエデでも、紅葉した樹木を「もみじ」と呼ぶことがあるので、「赤く染まったもみじがキレイ」と言っても間違いではありません。「もみじ」か「かえで」かを気にせず、是非「紅葉(もみじ)狩り」を楽しんでみてください。



写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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