週刊地震情報 2022.11.20 14日(月)に三重県南東沖で深発地震 典型的な異常震域
ウェザーニュース / 2022年11月20日 14時35分
この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週に比べると多くなっています。
前週に少なかった関東から東北太平洋側での地震がやや増加。能登半島の地震も多い状況です。震度3以上の地震は6回発生しました。(11月14日~11月20日13時の集計)
国内:三重県南東沖でM6.4の深発地震 この領域では3年ぶり
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三重県南東沖の地震
14日(月)17時09分頃、三重県南東沖を震源とするマグニチュード6.4、深さ362kmと推定される地震が発生しました。この地震で福島県双葉町、浪江町、茨城県つくばみらい市で最大震度4、宮城県、福島県、関東各都県で震度3を観測しています。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
三重県南東沖は太平洋プレートが深く沈み込んでいる所でしばしば地震が発生しており、マグニチュード6以上の地震は2019年7月28日以来です。1984年にはマグニチュード7.0の規模の大きな地震も起きています。
異常震域が現れやすい震源
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異常震域の仕組み
三重県南東沖の深発地震では異常震域が良く現れます。多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布します。一方で深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わって、震源の遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。
三重県南東沖以外では、オホーツク海や日本海、東海道南方沖、鳥島近海などで同様の深発地震の起きることがしばしばあり、数年に一度はマグニチュード6以上の規模の地震も発生します。
震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わり、今回も震央に近い三重県は有感地震を観測した地点がなく、最大震度4は茨城県と福島県で観測されました。規模の大きな地震では震度5弱を超えるような揺れとなることもありますので、注意が必要です。
国内:石川県・能登半島で震度4の地震
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石川県能登地方の地震
14日(月)22時28分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード4.2、深さ12kmと推定される地震が発生しました。この地震で石川県珠洲市で最大震度4、輪島市や能登町で震度2を観測。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
能登地方を震源とする震度3以上の地震は今年9月25日以来、約1か月半ぶりの発生です。ただ、その間も有感地震は継続的に起きており、10月は8回、11月に入ってもこの地震の前までに6回を観測していました。
活動が収まる兆候は現時点ではなく、今後も震源に近い珠洲市などでは強い揺れとなる可能性があります。引き続き地震活動に注意をしてください。
世界:米・テキサス州でM5.4 人為的要因か
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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しています。最も大きな地震はインドネシア近海で発生したマグチュード6.9です。
日本時間の17日(木)早朝、アメリカ・テキサス州でマグニチュード5.4、深さ約7kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北東ー南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。浅い所で発生した地震のため、震央近傍では改正メルカリ震度階級でVIIの強い揺れがあったとみられます。
震源付近に知られている活断層はないものの、近年は地震活動が活発になっています。アメリカ地質調査所によると、2018年以降、周辺ではマグニチュード2.5以上の地震が約1000回発生し、2020年3月にはマグニチュード5.0の地震が起きました。
このエリアの地震は人為的活動が関連しているとの研究があり、2020年の地震に関しては、廃水の注入が大幅に増加したことによって引き起こされたと結論付けられました。そのほかのアメリカ中部や東部で増加している地震には、採掘などの人為的活動が関連しているものが多いと考えられています。
参考資料など
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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