食べすぎると危険なギンナン、適量は?
ウェザーニュース / 2022年11月24日 10時20分
秋になると見た目だけでなくニオイでも季節を感じさせてくれるギンナン。
食べるとホクホクねっとりしたおいしさがありますが、実は食べすぎると食中毒を起こすこともある、注意が必要な食べものだそうです。
詳しい話を管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。
脳の情報伝達を阻害する物質
ギンナンは、イチョウの実の果肉を取り除いた種の中の『仁(じん)』のことです。
「栄養価も高く非常においしい食べ物ですが、メチルピリドキシンという物質が含まれていて、これが脳の神経の情報伝達を助けるビタミンB6を阻害する作用があります。そのため、食べ過ぎると脳の神経伝達がうまくいかなくなり、呼吸困難やけいれんを引き起こすことがあります。メチルピリドキシンは加熱しても変質したり減少しないので、注意が必要です」(柴田さん)
でもギンナンはこの時期だけ楽しめる旬の素材として食べられています。どのくらいの量を目安にすればよいのでしょうか。
「含まれるメチルピリドキシンは微量なので、食べ過ぎなければ影響はないとされています。ただし、食べる人の身体にビタミンB6が不足していると中毒が起りやすくなる、子どもは中毒になりやすいなど、目安の量は人によって異なります。無難なところで、大人で6〜7粒程度、子どもなら1~2粒程度にしておくとよいでしょう。
中毒は8割以上が子ども、特に3歳未満が多いと言われていますので、特にお子さんに食べさせる時には注意してください。また、食べてから6時間以内の発症が多いとされているので、その時間帯の体調には注意したいものです」(柴田さん)
ギンナンにはどんな栄養素が?
昔からからだにいいとされてきたギンナンにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
「ギンナンにはすぐれた栄養と効果があるとされています。ギンナンには糖質、脂質、タンパク質、ビタミンAやB群、ビタミンC、カリウム、鉄分など多くの成分が豊富に含まれています。特にビタミンB1とミネラルのバランスがよいという特長があります。
糖質はエネルギーになる即効性があるため、スタミナ食として古くから利用されてきましたし、ビタミンB1は脳の中枢神経や末梢神経の機能を正常に保つ働きがあります。また、カリウムには余分な塩分を体外に排出する働きがあり、利尿作用や高血圧やむくみの改善に効果があるとされています。
病みつきになる人もいるギンナン。『つい食べ過ぎてしまう』と心配な人は、茶碗蒸しやきんぴらごぼう、炊き込みご飯に入れるなどすれば、食べる量も抑えられるのでおすすめです」(柴田さん)
おいしくて栄養価も高いギンナン。くれぐれも食べ過ぎには注意しながら、秋の味覚を味わってみてください。
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