ひじ・ひざが黒ずむ意外な原因とは? 対策のポイントは「アメとムチ」
ウェザーニュース / 2022年11月29日 5時0分
秋冬は、実はひじやひざの黒ずみに注意したい時期だといいます。黒ずみが濃くなる原因の一つに肌の乾燥があるそうです。
そこで、ウェザーニュースではひじ・ひざの乾燥具合をアンケート調査しました。「両方気になる」「ひ字が気になる」「ひざが気になる」「気にならない」という選択肢のうち、男性は「気になる」人の割合が37%だったのに対し、女性は56%と過半数を占めました。
![](http://smtgvs.cdn.weathernews.jp/s/topics/img/202211/202211240145_box_img0_A.jpg?1669598414)
なぜこの時期に黒ずみが目立つようになってしまうのか。その理由と対策について、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生に教えていただきます。
ひじやひざが黒ずむのはなぜ?
冬は、素肌をさらすことが減るからといってひじやひざの黒ずみに気を抜いてしまってはいないでしょうか。ところが、「寒い季節は、衣服による摩擦が黒ずみを招いてしまうことがある」(野村先生)というのです。
「最も大きい原因となるのが、ナイロン素材です。ナイロンタオルでのこすり洗いはもちろん、ナイロンストッキンやナイロンの肌着、ナイロン糸の縫い代などです。摩擦黒皮症(フリクションメラノーシス)という病名がつく場合もあります」(野村先生)
なぜ、摩擦が肌の色に影響するのでしょうか?
「黒ずみは、主にメラニンという黒い色素によるものです。摩擦の刺激によって皮膚内部では微細な炎症が起きます。炎症によりメラノサイトという細胞の働きが活発になってメラニンが過剰に生成され、やがて色素沈着を起こします。さらに、炎症への反応で皮膚の角質層が厚みを増すので、しだいに黒ずんだ分厚い皮膚になってしまうのです。
ナイロンストッキングのこすれなどはわずかな刺激なようですが、炎症が繰り返されることで色素沈着につながります。ほかに、ひじやひざをつく動作や、きつめの下着など衣服の締め付け、内股付近での皮膚同士のこすれなど、体のさまざまな部位で起きることがあります」(野村先生)
さらに、冬に黒ずみが濃くなりやすい理由が乾燥です。
「潤いの不足した肌は、すき間ができてバリア機能が弱くなり、外からの刺激に敏感になります。また、冷えなどにより肌のターンオーバーが乱れ、肌の代謝ととともに排出されるはずのメラニンが溜まります。冬はひそかに肌の黒ずみが進んでしまう可能性があのです」(野村先生)
冬服で見えないので油断してしまいがちですが、ケアをする必要がありそうです。
黒ずみケアのアメとムチ
黒ずみができていなくても、くすみやゴワゴワは肌のターンオーバーが乱れているサインだといいます。
「黒ずみ対策には、黒ずみを悪化させないことと肌の新陳代謝を促すことがポイントになります。それには、保湿=アメと、角質オフ=ムチによるケアになります」(野村先生)
まず、角質オフの基本である洗い方について教えてもらいます。
「古い角質や皮脂を落として、肌のターンオーバーを促します。とはいえ、前述したようにナイロンタオルで落とそうとしたり、無理なゴシゴシ洗いは厳禁です。
顔と同じように優しく泡立てた泡で洗い、ていねいに流しましょう。厚くなった肌が気になるようなら、ピーリングやスクラブ入り洗浄剤などのスペシャルケアで優しく落とすのもいいでしょう。
ただし、1度で改善するものではないので、肌への負担とならないよう必ず使用法や使用回数を守り、無理しないことも大切です」(野村先生)
余分なものを落とした後は、しっかり保湿します。
「肌が無防備な状態になっているので、必ず保湿します。ローションなど手のひらにたっぷり取って、優しく塗ります。ひじやひざは表面だけでなく、しわ部分まで届くようにていねいになじませるのがコツです。乾燥がひどい場合は、油分の多い軟膏やクリームを使ってもいいでしょう」(野村先生)
生活習慣でも気をつけたいポイントが
普段の生活にも、改善ポイントがあるといいます。
「黒ずみの原因となる刺激を減らします。ひじやひざをついたり、肌に直接あたる部分は綿などナイロン以外の素材を選ぶなど、黒ずみにつながるものをできるだけ減らしましょう。
また、肌の新陳代謝がうまくいくためには、野菜や果物からのビタミン類、肉や魚・卵からの良質のタンパク質を摂れる食事や十分な睡眠も欠かせません。
一度黒ずみになってしまうと、すぐに消すことは難しくなります。しかし、地道なケアを続ければ改善していくものなので、あきらめずていねいな生活をしてください」(野村先生)
これからますます乾燥が進み、肌にとっても厳しい時期になります。正しいケアで肌も健やかに過ごしましょう。
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