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週刊地震情報 2022.11.27 熊本地震の活動域で震度3 インドネシアで大きな地震被害

ウェザーニュース / 2022年11月27日 10時40分

ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週とほぼ同じ水準です。

近畿から四国、九州にかけて地震の発生が目立ち、震源の深さが100kmよりも深い深発地震も複数起きています。震度3以上の地震は4回発生しました。(11月21日~11月27日10時の集計)

国内:熊本県で最大震度3 熊本地震の活動域

熊本県熊本地方の地震

24日(木)20時20分頃、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード4.0、深さ14kmと推定される地震が発生しました。この地震で熊本県熊本市、宇城市、宇土市などで震度3を観測しています。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

今回の震源は2016年に発生した熊本地震の活動域に当たります。すでに発生から6年が経っていますが、地震活動は継続していて、今年6月にはマグニチュード4.7、最大震度5弱の地震が発生しました。

引き続き熊本地震以前に比べると地震の多い状況は続くとみられます。震源の深さが10km前後と浅いため、規模がそれほど大きくない場合でも、震源近くでは強く揺れる可能性がありますので、日頃からの備えをしっかりと行ってください。

世界:インドネシア M5.6の地震で多数の死者

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は4回発生しています。最も大きな地震はソロモン諸島近海で発生したマグチュード7.0です。

日本時間の21日(月)の午後、インドネシア・ジャワ島の西部でマグニチュード5.6、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。地震の規模はそれほど大きくなかったものの、震源が陸域であることや、深さが10km程度と浅かったことで強い揺れに見舞われました。

震源近くでは地震の揺れによって建物が倒壊したり、土砂崩れの発生によって住宅などが埋まるなどして大きな被害となり、インドネシアの国家防災庁によると300人以上の方が亡くなっています。

インドネシアはユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界に位置し、日本と同様の有数の地震国です。プレート境界で発生する巨大地震だけでなく、岩盤の歪みが影響する直下型地震もしばしば起きています。

ジャワ島の陸域を震源とする直下型の地震としては、2006年にマグニチュード6.3の地震が発生し、死者が5000人以上に及ぶ大きな被害をもたらしています。

トルコ北西部でM6.1、過去には大地震があった領域

トルコの断層の分布

日本時間の23日(水)朝、トルコ北西部でマグニチュード6.1、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。震源近傍では最大で改正メルカリ震度階級のⅧ程度の揺れがあったとみられます。

トルコは、ユーラシアプレートと呼ばれる巨大な岩盤の上に位置しています。周辺にはアフリカプレート、アラビアプレートとの境界が存在するなど岩盤に歪みエネルギーがたまりやすい地域です。このため国内には多くの断層があり、23日に起きた地震はこのうち北アナトリア断層の付近で発生したものとみられます。

プレート境界に位置し、日本と同じく地震活動が活発なトルコでは1900年からこれまで死者が出た被害地震は100件を超えていて、今回と同様に北アナトリア断層周辺で起きた地震としては、1999年に10000人を超える死者を出した、「イズミット地震」と呼ばれるマグニチュード7.6の大地震が知られています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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