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★12月の天体イベント★ ふたご座流星群が出現!惑星にも注目

ウェザーニュース / 2022年12月3日 12時0分

ウェザーニュース

冬至を迎える12月は、一年でもっと夜の時間が長い月といえます。冬に入って空も澄み、星空を楽しむには良い時期です。

12月はふたご座流星群が出現し、火星と地球が約2年2か月ぶりに接近するなど、複数の注目天体イベントがあります。晴れた日の夜は、しっかりと防寒をして天体観測をお楽しみください。

火星と地球が接近

接近時の火星と地球 2022年~2035年

2022年12月1日(木)、約2年2か月ぶりに火星と地球が接近します。

火星の軌道は楕円のため、地球との距離は一定ではありません。また、公転周期は火星が687日であるのに対して、地球は365日と火星よりも早くまわります。約780日(約2年2カ月)ごとに火星に追いつき、追い越し、この時に今回のような火星と地球の接近が起こるのです。

火星と地球が接近する際の距離は毎回異なり、約6,000万kmから約1億kmまで大きく変化します。今回の接近距離は8,145万kmと中くらいの距離です。今回よりも近づくのは2033年まで起こらないため、ぜひお楽しみください。

12月1日(木) 5時と22時の空(東京)

今回は最接近が1日(木)11時頃と昼間のため、1日(木)の夜明け前か夜が最も近い火星を見られるチャンスです。

12月は火星をひと晩中みることができ、接近時には南中高度が約80度にまで達し(東京)、天頂近くの高い空に輝く姿を見ることができます。

火星の明るさは、接近の頃でマイナス1.9等です。12月8日(木)には火星が衝(地球から見て火星が太陽の反対側に位置する)となるため、その前後の6日(火)~9日(金)の頃の方が若干明るく、マイナス2.0等に達します。

12月下旬にかけてマイナス1.5等以上の明るさを保つため、12月は観測の好機です。

満月が火星に接近

12月7日(水)~8日(木)19時頃 東の空(東京)

12月8日(木)には火星が「衝(しょう)」となります。「衝」とは地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。この衝の頃にマイナス2.0等と、最も明るく輝いて見えます。

8日(木)には、衝を迎えてひと際明るい火星に、満月を迎えた月が接近します。最接近は正午頃のため、日本で最も近づいて見えるのは8日(木)の月の出の直後です。

夜が更けると共に高度を上げていき、夜遅くには南中して南の空高くで輝きます。夜空の中でも存在感のある月と火星の共演は見物です。

▼8日(木)の月と火星の時刻(東京)
出現 月 16:19、火星 16:10
南中 月 23:54 火星 23:30

12月の満月、英語で“Cold Moon”

農事暦における満月の呼び方

12月の月は、8日(木)13時8分に満月の瞬間を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。

農事暦(The Old Farmer's Almanac)によると、アメリカでは12月の満月を「コールドムーン(Cold Moon/寒月)」と呼ぶようです。

月が木星に接近

11月28日~12月2日18時頃 南の空(東京)

12月も日が沈んだ後の南の方角に、土星と木星の姿を見ることができます。

11月29日(火)に土星と接近した月は、12月2日(金)には木星に接近するため注目です。上弦から2日たってやや膨らんだ月に、マイナス2.6等の明るい木星が寄り添う姿は目を引きます。

▼沈む時刻(東京)
月 3日1:21、土星 2日21:42、木星 3日0:51

再び月が土星と木星に接近

12月26日(月)~30日(金)18時頃 南~南西の空(東京)

12月26日(月)から30日(金)には、再び月が土星と木星の近くを通過していきます。

26日(月)から27日(火)には月と土星が、29日(木)には月と木星が接近するため注目です。

▼沈む時刻(東京)
・月と土星が接近
26日(月) 月 19:42、土星 20:17、木星 23:25
27日(火) 月 20:56、土星 20:14、木星 23:22
・月と木星が接近
29日(木) 月 23:14、土星 20:07、木星 23:15

ふたご座流星群が見頃

12月14日(水)21時頃 東の空(東京)

12月14日(水)、三大流星群の一つ「ふたご座流星群」の活動が極大を迎えます。14日(水)夜から15日(木)明け方が一番の見頃です。

極大時刻は14日(水)22時頃と予測されており、ちょうど夜に出現ピークを迎えます。この日は、22時前に地平線から月が昇ってくるため(東京)、月が高く昇る前の21時から24時頃が観察におすすめの時間帯です。

国立天文台によると、空の暗い場所で観察した場合の流星の数は、ピーク時で1時間あたり40個から45個と予想されるとのこと。真夜中を過ぎると月明かりの影響が大きくなり、流星の数は1時間あたり30個前後に減るそうです。

なお、極大前日の13日(火)夜から14日(水)明け方は、空の暗い場所で1時間に15個程度の流星が見られるとのことで、前日も普段より観測チャンスがあります。

流れ星は空のあちらこちらに飛ぶので、街灯や月から離れた方向を中心に、なるべく広く空を見渡してみてください。

惑星パレード

12月25日(日)日の入り45分後 東~南西の空(東京)

12月20日(火)から31日(土)頃の間、7惑星が全て夕方の空に姿を現します。25日(日)以降は月も現れるため注目です。

観測できるタイミングは、日の入り後の30分から1時間くらいの約30分間と、かなり短い時間となります。この時間帯より早いと空が明るいため水星や海王星が見づらく、この時間帯より遅いと水星や金星が沈んでしまいます。

月や水星、金星、土星、木星、火星は肉眼で見られますが、海王星と天王星は双眼鏡や望遠鏡が必要です。

アストロアーツによると、次回見やすいものは2061年までないとのこと。短い時間での観測チャンスとなりますが、非常に珍しい惑星パレードをお楽しみください。

水星が東方最大離角

日の入り45分後 南西~西南西の空(東京)

12月22日(木)に水星が東方最大離角(※)を迎えます。普段よりも空高くに昇るため、観測しづらい水星を見られるチャンスです。

日の入り45分後の高度は約6度とかなり低く、さらに低空では金星の姿もあります。明るい金星を目印にして水星を探してみてください。低空に出現するため、西南西の空が開けたところからの観測がおすすめです。

▼22日(木)に沈む時刻(東京)
太陽 16:32、金星 17:34、水星 17:58

(※)東方最大離角
地球から見て水星が太陽から東側に最も離れる現象のこと。
地球の内側を公転する水星は、見かけ上では太陽から大きく離れることがなく、日の入り後の西の低空か、日の出前の東の低空にしか見えません。太陽から最も離れる最大離角の際は、日没後に普段よりも空高くで昇るため観測チャンスとなります。

水星と金星が大接近

12月29日(木)日の入り45分後 西の空(東京)

12月下旬から来年の1月上旬頃、夕方の低空で水星と金星が接近します。

水星と金星が最接近するのは12月29日(木)頃です。2度未満まで近づき、前後数日は双眼鏡の同一視野内で見ることができます。

日の入り45分後の高度が5度前後とかなり低いため、西南西の空が開けたところから水星と金星の接近をお楽しみください。なお、肉眼でも見ることは可能ですが、双眼鏡を使うとより見やすくなります。

▼29日(木)に沈む時刻(東京)
太陽 16:36、金星 17:49、水星 17:53

参考資料など

国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/

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