インドネシア・スメル火山で規模の大きな噴火 噴煙は高度1万5000mに
ウェザーニュース / 2022年12月4日 12時15分
日本時間の今日12月4日(日)、インドネシアのスメル火山(セメール火山)の噴火活動が活発になっています。日本時間の11時18分頃に発生した噴火では、現地の監視カメラの画像では火砕流とみられる現象が確認できるほか、気象衛星ひまわり8号からの観測では噴煙は高度約1万5000mに到達しているものとみられます。
インドネシアには多数の活火山があり、たびたび規模の大きな噴火を起こしています。スメル火山でも昨年12月4日(土)に溶岩ドームの崩壊を伴う大規模な噴火が発生し、火砕流による死者・行方不明者が50人を超える惨事となっていました。
(更新)
気象庁は13時05分に臨時の情報(遠地地震に関する情報)を発表し、ことし1月のトンガの火山噴火時のような津波が発生しないか監視するとしていましたが、18時00分に「この噴火による日本への津波の影響はない」旨を発表しました。
気象衛星でも噴煙を観測
スメル火山(Semeru/標高3676m)は、インドネシアのジャワ島の東部にある火山です。インドネシアに点在する活火山と同様に、たびたび噴煙を1万メートル以上に噴き上げる噴火を起こしていて、火砕流や泥流を発生させることもあります。
今回の噴火では、噴煙を対流圏の最上層付近まで噴き上げたとみられ、気象衛星ひまわりからも噴煙を確認しました。
噴煙の状況次第では航空機に影響も
噴煙は上空の風に流されて南西方向に流れているものとみられます。
噴火により多量の火山灰が大気中に放出されると、それを吸い込んだ飛行機のエンジンが停止したり、操縦席の窓ガラスに傷が付いて見通しが利かなくなるなど、航空機の運航へ重大な影響を及ぼすおそれがあります。
今後の火山灰の状況次第では、ジャワ島を発着する旅客機をはじめ、インドネシア付近を通過する国際線の航空便の経路変更などで、遅延等の影響が生じる可能性があります。
噴火による潮位変化の可能性は気象庁が調査
今年1月にトンガの火山フンガトンガ=フンガハアパイで大規模な噴火が発生した際には、通常とは異なる津波が発生して、日本にも津波が到達しました。
今回のスメル火山の噴火も噴煙の高さが気象庁の設けた基準に達したため、気象庁は潮位変化を監視する旨の発表を行いました。
同様の発表は、3月のマナム火山、5月のベズィミアニィ火山の噴火に続いて、今回が3事例目です。
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