今から押さえておくべき、花粉症予防の基本対策3か条
ウェザーニュース / 2023年2月12日 5時0分
そろそろ花粉が気になるシーズンがやってきます。ウェザーニュースで2月1〜2日に花粉の飛散状況に関するアンケート調査を実施しました。花粉症の人を対象に見ると、東北・北陸を除くエリアでは、すでに半数近くの人が花粉を感じていることが分かりました。
特に関東では「けっこう感じる」が11%に上り、「ちょっと感じる」を含めると6割以上が花粉を感じると回答しています。今年は、関東や東海、西日本では多くなると予想されており、春らしい暖かい日が増えるにつれて、スギ花粉の飛散がどんどん増えていきます。
アンケート結果
東洋医学の観点から、今からできる花粉症対策について、『季節の不調が必ずラク~になる本』(文化出版局)の著者で源保堂鍼灸院(東京都渋谷区)の瀬戸佳子先生(国際中医薬膳師)に教えていただきます。
早いうちに対策が必要な理由
植物が芽吹き陽射しも明るくなり、幸せなはずの春の訪れが、花粉症のせいで憂うつになることがあります。
「花粉症といえば、くしゃみ、鼻水、目のかゆみを訴える人が多いのですが、発熱や肌荒れ、肌のかゆみ、胃腸の不調など、症状は様々。原因不明の春の不調が、実は花粉症だったということも多いのです。
花粉が飛散していても、何ともない人と辛くなる人がいます。花粉症は、花粉だけが原因でなく、症状が現れる背景には体の状態もあるからです。東洋医学では、花粉症は『体のバリアがきちんと働かず、デトックスできない状態』としています」(瀬戸先生)
東洋医学では、次のような原因から花粉症が発症すると考えられています。
(1)バリア機能が低下
鼻や皮膚、粘膜から花粉が簡単に体に入ってしまう
(2)デトックスできない
花粉を排出するなど解毒作用がうまく働かない
(3)アレルギー反応を抑えられない
正気(免疫力)が退治しようとするが苦戦し、鼻水などの副産物に
「バリア機能とは、体にとって余計なものが体に入らないようにする防衛機能です。花粉が飛散していても、本来は体に入らないよう守られているものですが、冬の乾燥で肌が荒れるなど、バリア機能が低下していると、花粉が入ってきてしまうのです。喉や鼻、胃腸の粘膜なども入口となります。
花粉が体に入ってしまっても、デトックス作用で排出されたり、解毒される仕組みです。ところが、解毒すべきものが多過ぎたり、解毒に関わる『肝(肝臓)』が弱っていると、なかなかうまくいきません。さらに、体が余計なものを退治しようと戦うと、鼻水や痰、目のかゆみなどが出てしまいます。
これら花粉症の症状はデトックスの邪魔となるので、さらに花粉症が悪化するというドロ沼に陥ってしまうのです。これが、花粉症発生のメカニズムと辛さの原因です」(瀬戸先生)
花粉症を抑えるには、どうしたらよいのでしょうか。
「花粉症の原因となる3つの対策をすることで、症状を和らげることができます。前述したように花粉症は症状が出てしまうと、悪循環に陥ってしまいます。
また、冬の寒さや乾燥、過食などで調子の崩れた胃腸や『肝』を整えるには、1日2日では難しいので、今から対策していきましょう」(瀬戸先生)
花粉症予防の基本対策3か条
花粉症予防の基本対策
(1)花粉を入れない
まず、マスクをしっかり着用し、薄着を避けて肌を露出させないなど、体に花粉を入れないための工夫をします。
「皮膚の乾燥を防いだり、胃腸の粘膜を労(いた)わるなど、バリア機能を高めるのも忘れずに。粘膜は花粉の入口であり、腸内環境は花粉症改善と密接な関わりがあることからも、胃腸がポイントになります。体を冷やさないよう腹巻を使ったり、甘いものや生もの、脂っこいものを食べ過ぎないようにします」(瀬戸先生)
(2)花粉を溜めない
花粉を体内から排出するために、くしゃみや鼻水などは必要以上に我慢せず、便秘にも注意します。
「花粉はくしゃみや鼻水で排出されます。粘膜を傷つけるような過剰な負担にならない限りは止めないようにしましょう。お通じも大切なので、便秘対策も効果的です。
また、解毒を担当する『肝』を無駄に疲れさせないようアルコールは控え、乳製品や甘いものの食べ過ぎないように。寝不足や疲労、ストレスも避けます」(瀬戸先生)
(3)花粉に反応させない
不快な花粉症の症状を抑えるためには、反応させないことが必要です。食生活に気をつけ、寝不足などの悪習慣を正して免疫力を整える必要があります。
「体の内側のバリア機能がしっかり働き、花粉症を抑えることです。東洋医学では『正気』といい、西洋医学の免疫力のように働いて、花粉などの『邪気』を抑えます。正気を充実させるために胃腸をケアし、邪気に加勢してしまう食事の不摂生などを避けましょう」(瀬戸先生)
毎日の生活のなかで花粉症対策ができるのですね。今年の春は少しでも緩和できるようにするためにも、基本の対策を意識して過ごしてみるのはいかがでしょうか。
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