ラニーニャ現象はまもなく終息 夏はエルニーニョ現象発生か(エルニーニョ監視速報)
ウェザーニュース / 2023年2月11日 12時0分
気象庁は10日(金)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。1月の監視海域の海面水温は前月に比べて基準値に近づいています。ラニーニャ現象は終息しつつあり、今後は次第に平常の状態となる見込みです。
1月の監視海域の海面水温は基準値に近づく
1月の南米沖・エルニーニョ監視海域の海面水温は基準値に比べて0.4℃低く、12月に比べると上昇しました。ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の11月の値は-0.8℃で、15か月連続して-0.5℃以下です。
海洋表層の水温は西部で平年より高く、中部から東部では平年よりも低くなりました。
また太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強く、大気や海洋の状態はラニーニャ現象の特徴が続いています。
夏にかけてエルニーニョ現象が発生の可能性も
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エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測
エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果では、太平洋赤道域の西部から中部にみられる暖水が東に移動することによって、監視海域の海面水温は上昇し、基準値に近づく見通しです。
2月には平常に戻る確率が90%となっており、冬の終わりまでにラニーニャ現象は終息する見込みです。3~5月にかけての春の期間は平常の状態が続とみられます。6月になるとエルニーニョ現象の発生する確率が50%に上昇し、夏にかけてエルニーニョ現象となる可能性が出てきました。
夏の天候への影響に注目
エルニーニョ現象が発生した場合、西太平洋熱帯域の海面水温が低下し、積乱雲の活動が不活発となります。このため日本付近では夏の太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、気温が低く、日照時間が少なくなる傾向があります。
現時点でエルニーニョ現象が発生するかどうかは不確実性が大きく、夏の天候がどうなるかははっきりしません。今後の情報が注目されます。
参考資料など
気象庁より
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