なぜ河川沿いの土手に多い? 菜の花にまつわる意外な話
ウェザーニュース / 2023年4月1日 14時10分
桜とともに菜の花が見頃の時期を迎えています。菜の花といえば、川沿いの土手に咲いているイメージがあります。それはなぜでしょう? 日本花の会研究員の小山徹さんに教えていただきました。
菜の花の意外な“正体”
「菜の花畑」などと称されますが、実は菜の花という特定の植物は存在しないといいます。
「菜の花とは『アブラナ科アブラナ属の花』の総称で、特定の植物名ではありません。つまり、アブラナ科アブラナ属である『キャベツ』や『ハクサイ』、『ブロッコリー』、『コマツナ』などが花を咲かせると、全て菜の花になるのです」(小山さん)
では、土手沿いでよく見かける“菜の花”は何の植物なのでしょうか。
「土手一面に咲いているのは『アブラナ』『セイヨウアブラナ』『セイヨウカラシナ』のどれかです。
アブラナは日本在来種で、江戸時代まで油を搾(しぼ)るために栽培されていました。その後、明治初期により含油率が高い外来種のセイヨウアブラナが導入され、搾油用として全国に普及したのです。
セイヨウカラシナもその名の通り外来種で、元々は食用として導入されました。おひたしや漬物などで食卓にのぼっています。花は、他と比べ小さく、まとまって咲かず棒状に花をつけます。またセイヨウアブラナに比べやや開花期も遅くなります」(小山さん)
ちなみに、アブラナやセイヨウアブラナは菜種油をとるために栽培されていたこともあり、その成長過程で名前が区別されていました。
「若い葉を食用にするときは『アオナ』、花をつけているときは『ナノハナ』、花の後に種子ができたときは『ナタネ』と呼び替えられたのです」(小山さん)
菜の花が河川沿いの土手に多い理由は?
アブラナやセイヨウアブラナが河川沿いの土手に多いのはなぜなのでしょうか。
「搾油用アブラナ(明治以降はセイヨウアブラナ)は、土手で育てられていました。しかし、手間がかかるために次第に生産者が減っていき、放棄されたアブラナが自然に広がっていったものと考えられます。
現在ではアメリカやカナダから食用油の原料が輸入されているため、搾油用のアブラナはほとんど生産されていません」(小山さん)
耕作を放棄されたアブラナが、黄色い菜の花として定着しているのですね。
ちなみに、菜の花の花言葉は「快活」「明るさ」「豊かさ」です。⻩色い花を咲かせ人々の気持ちを朗らかに明るくすることが由来のようです。
菜の花は身近な花ですが、意外と知られていないことがたくさんあります。春爛漫のなかで次に菜の花を見つけたら、思い出してみてください。よりいっそう春を楽しく感じられるかもしれませんね。
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