週刊地震情報 2023.5.21 豊後水道の地震で震度4 南海トラフ巨大地震とは違うメカニズム
ウェザーニュース / 2023年5月21日 10時30分
この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、ここ2週に比べると大幅に減少しました。
西日本から南西諸島にかけてやや地震が目立つ一方で、関東から北日本の太平洋側の地震回数は比較的少なくなっています。震度3以上の地震は3回にとどまっています。(5月15日~21日10時の集計)
国内:豊後水道でM4.5の地震 最大震度は4
豊後水道の地震
19日(金)6時56分頃、豊後水道を震源とするマグニチュード4.5、深さ46kmと推定される地震が発生しました。この地震で愛媛県伊方町で最大震度4、宇和島市、八幡浜市、西予市、高知県宿毛市、大分県国東市などで震度3の揺れを観測しています。
地震のメカニズムは横ずれ成分が大きい型と解析されています。豊後水道は南海トラフ巨大地震の想定震源域に入っていますが、今回の震源はこの付近のプレート境界に比べて少し深い領域です。地震のメカニズムも想定されるものとは異なり、プレート内部で発生した地震とみられます。
ただ、12日(金)には少し北東側の愛媛県南予を震源とするマグニチュード4.2の地震が起きており、周辺で有感地震が続いています。豊後水道を震源とする地震としては、2017年にマグニチュード5.0で最大震度5強、1968年にはマグニチュード6.6、最大震度5(当時の階級)が起きており、南海トラフ巨大地震と違うタイプであっても、油断はできません。
世界:南太平洋で立て続けにM7超の地震 周辺では津波発生
世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は4回発生しました。最も大きなものは南太平洋で発生したマグニチュード7.7です。
日本時間の19日(金)昼頃、南太平洋・ローヤリティー諸島南東方を震源とするマグニチュード7.7、深さ約18kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北北西ー南南東方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。
この地震では津波が発生し、バヌアツのタンナ島では最大61cmの津波を観測しました。
今回の地震は太平洋プレートとオーストラリアプレートが複雑に入り組んでいる、地震の多発エリアで発生しています。マグニチュード7.7が起きた後は地震が頻発し、23時間後にはマグニチュード7.1の地震が起きています。
南太平洋では10日(水)にトンガでマグニチュード7.6の深発地震が発生していました。この領域で浅い地震が発生した場合、規模によっては日本まで津波が到達するケースがありますので、要注意です。
参考資料など
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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