エルニーニョ現象が継続中 年明けまで続く可能性高い(エルニーニョ監視速報)
ウェザーニュース / 2023年9月11日 14時45分
気象庁は11日(月)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。監視海域の海面水温は前月よりもさらに上昇し、エルニーニョ現象が継続しています。これから年明けにかけて継続するとみられ、来年1月まで続く確率は90%です。
監視海域の海面水温は高い状態で推移
8月の南米沖・エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は、前月を上回る+2.2℃で基準値より高い値となりました。エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の6月の値は+1.4℃となっています。
海洋表層の水温は太平洋赤道域の中部から東部を中心に平年より高くなりました。また、太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年よりもやや活発で、中部大気下層の東風(貿易風)は平年より弱くなっています。
これらは海洋がエルニーニョ現象の状態なっており、大気にもエルニーニョ現象時の特徴が現れつつあることを示しています。以上のことからエルニーニョ現象は春から続いているとみられます。
冬の前半はエルニーニョ現象が継続
実況では太平洋赤道域の中部から東部にみられる海洋表層の暖水が、東部の海面水温が高い状態を維持しています。
また、エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海洋表層の暖水が東に移動し、エルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より高い値で推移する可能性が高いと予測しています。
エルニーニョ現象が続く確率は12月までが100%、来年1月が90%で、冬の前半はエルニーニョ現象が継続する可能性が高い見通しです。
冬の天候への影響に注目
今年の夏はラニーニャ現象からエルニーニョ現象に移行したばかりで、ラニーニャ現象の名残が影響したとみられています。
エルニーニョ現象が冬まで続いた場合は、影響が出てくる可能性があります。エルニーニョ現象発生時の冬の天候は、西日本で平均気温が高く、降水量は東日本の太平洋側で多い傾向です。冬の天候に影響するか注目されます。
参考資料など
気象庁より
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