日の入り前に「アンタレス食」 日本国内では14年ぶり

ウェザーニュース

今日9月21日(木)は、さそり座の1等星「アンタレス」が上弦前の月に隠される「アンタレス食」が起こります。

前回、日本国内でアンタレス食が起こったのは2009年9月24日です。今回は14年ぶりの観測チャンスとなります。なお、夜間に起こるものとしては2005年3月31日以来で18年半ぶりです。

今回のアンタレス食は日本全国で見ることができますが、起こる時刻は場所によって異なります。

アンタレス食が観測できる時間

アンタレスは月の光っていない方の縁から月に隠されて（潜入）、月の光っている方の縁から姿を現します（出現）。

潜入時刻は21日(木)の17時過ぎです。日の入り前の明るい空の中で起こるため、潜入の様子を観察することは難しく、天体望遠鏡が必要になります。

出現時刻は日の入り後の18時30分過ぎです。アンタレスは一瞬で月から出現するため、出現の瞬間を見る際は予報時刻の少し前から観察をはじめてください。

▼潜入・出現の時刻
【札幌】潜入 17時24.0分　出現 18時44.1分
【東京】潜入 17時26.2分　出現 18時51.2分
【那覇】潜入 17時07.5分　出現 18時33.8分

西側の地域になるほど、日の入りからあまり時間が経たないうちにアンタレスの出現を迎えるため、双眼鏡や望遠鏡があると見やすくなります。

北海道と南西諸島は観測チャンス

今日21日(木)は、低気圧と前線が本州付近を通過します。このため、各地で雲が多く、特に東北北部を中心にまとまった雨になる見込みです。

東北南部や東日本、西日本でも局地的な雨や雷雨の可能性があり、アンタレス食を見るのは難しい地域が多くなりそうです。

北海道の一部と、南西諸島は雲が少なめで、観測のチャンスがありそうです。

ウェザーニュースでは21日(木)夕方、アンタレス食の様子を北海道の天文台より生中継でお届けします。天体観測が難しい地域の皆様もゆっくりお楽しみください。

参考資料など

国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers' Almanac