台風並みの低気圧「Ciarán」が直撃 イギリスやフランスなど暴風雨に

ウェザーニュース

大西洋を進みながら猛発達したストーム「Ciarán」がイギリスやフランスに接近し、猛烈な風が吹き荒れています。暴風や高波に対し厳重な警戒が続いています。

中心気圧は950hPa台まで低下

日本時間の11月2日(木)朝の時点で低気圧はイギリスの南西部に到達しています。中心気圧は950hPa台まで低下し、台風並みに発達しました。

低気圧の中心近くから南側では風が強く、フランスやスペインの大西洋沿岸では40〜50m/sの瞬間風速を観測しています。低気圧を取り巻く活発な雨雲がイギリスからフランスにかけて広がっていて、激しい雨も伴っている状況です。

雨や風、波による災害発生に厳重警戒

日本時間2日(木)午後の波の予想

低気圧は日本時間の今夜にかけて北海へ進む予想で、イギリスやフランスを中心に暴風雨が続く見通しです。

イギリスでは10月の雨量が多くなっていて、土の中に含まれている水分量が増えている状況です。そこの強い雨が降ることで、洪水リスクが高くなるとみられます。

また、強風域が大西洋に大きく広がっていて、吹走距離(一定の風速・風向を持った風の吹く風域の長さ)が長いため、フランスの大西洋沿岸では顕著な高波が予想されます。フランスの気象当局は波の高さが最大で8〜10mに達し、高波や高潮による沿岸部の浸水の可能性があるとしています。

各国の気象当局は災害発生のおそれがあるとして、風や雨、波などに関する警報を発表し、警戒を続けています。