硫黄島沖の噴火で新島が出現 噴火活動は小康状態
ウェザーニュース / 2023年11月11日 9時30分
10月下旬から噴火活動が続いていた硫黄島の沖に新たな島が出現しています。海上保安庁の航空機による観測で、翁浜の約1km沖の海上で噴気を上げている新島が確認されました。
噴気はあるも噴火は停止状態
硫黄島沖では10月21日頃から噴火が始まったとみられています。2022年の噴火とほぼ同じ場所で起こっていて、報道機関で撮影された画像ではコックステールジェット(注)がみられたことから、マグマ水蒸気爆発が発生したと考えられます。
(注)コックステールジェット:黒っぽい岩石混じりの噴煙が速い速度で上がっていく軌跡が、おんどりの尾のように見えることからこう呼ばれる。爆発力の強い噴火の際に見られることがある。
海上保安庁は11月10日(金)に航空機による観測を実施し、硫黄島南岸の翁浜の沖合に新島を確認しています。新島の大きさは南北400m、東西200mほどの大きさで、観測時点では高さ数10mほどの噴気を上げていました。
航空機に同乗した東京工業大学の野上教授によると、新島は小規模な溶岩流と火砕丘、及び火山噴出物からなり、溶岩流の流出は停止していて、現時点で噴火は確認できないとのことです。噴火活動は停止状態にあるといえ、新たな活動がなかった場合、新島は波などによる侵食によって縮小していくとしています。
噴火活動は小康状態になっているものの、周辺には変色水が確認されている状況です。付近を航行する船舶には引き続き注意が必要として、海上保安庁は航行警報を発出しています。
出典・参考
新島の写真:海上保安庁
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