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頭痛や肩こりも? 梅雨時や台風接近時に辛い気象病を改善するセルフケアとは

ウェザーニュース / 2024年5月31日 5時11分

ウェザーニュース

気象庁から5月21日に沖縄・奄美が梅雨入りしたとみられると発表がありました。九州も6月上旬、続いて全国各地方で梅雨入りになるとみられます。

また、台風の発生が増え始める時期で、台風1号も関東に接近中ですが、これから季節が進むにしたがって、もたらされる困りごとがあります。

ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生が心配するのは、「梅雨入りや台風シーズンの到来とともに気象病(天気痛)に悩まされる人も増える」こと。

頭痛や肩こり、だるさなどの兆候はないでしょうか? ウェザーニュースが実施した天気痛の症状に関するにアンケート調査では、「ここ最近ずっとある」が19%、「出始めている・予兆がある」が20%という結果で、約4割の人が症状を感じているようです。

梅雨時や台風接近で気象病が起きるメカニズムを知り、しっかり対策を講じましょう。

様々な症状が見られる気象病とは?

気象病とは、気象が原因となって体や心に不調が生じるものです。

「天気が変わるとき、気温や湿度、気圧などが変化しますが、体がそれらの影響を受けるのです。気象病の代表ともいえるのが、頭痛や関節痛、腰痛など慢性的な痛みが天気で悪化する『天気痛』です。人によっては、めまいや耳鳴り、食欲がない、眠気、体がむくむ、ぜん息が悪化する、うつ傾向になり塞ぎ込む、などもあります。

梅雨は、低気圧が前線の上を繰り返し通過している状態が続く時期なので、気温や気圧、湿度が毎日のように変化しています。台風接近時も同様です。そのため、多くの人の不調が心配されるのです」(佐藤先生)

内耳から脳へ異常を知らせる

なぜ、天気の変化が辛い症状を起こすのでしょうか。

「気温や気圧、湿度など天気による刺激が自律神経のストレスとなるからです。特に、気圧の変化は強く影響を与えます。

普段自覚することはないのですが、私たちの体にはいつも気圧がかかっています。体の表面積がだいたい1.5m2として、1m2当たりにかかる気圧は10トン。つまり、常に15トンもの気圧を受けているということになります。

そして耳の鼓膜の奥にある内耳には、気圧の変化を感じとる“気圧センサー”があります。気圧の変化を察知すると、情報が脳にストレスとして伝わり、自律神経に影響を与えます。

自律神経は、血圧や呼吸、体温、内臓の働きなどを自動的にコントロールしています。交感神経と副交感神経という、相反する2 種類の神経があり、バランスよく働くことで機能しています。例えば、暑いときに汗をかいて体温を一定に保とうとするのも自律神経の働きです。

ところが、内耳の気圧センサーが敏感に反応しすぎると、脳に過剰な情報が伝わってストレスとなり、交感神経が興奮して自律神経が乱れてしまうのです」(佐藤先生)

簡単セルフケア4選

辛い症状をやわらげるセルフケアを教えていただきましょう。

(1)くるくる耳マッサージ

耳を引っ張ったり回すマッサージで、耳周りの血流を改善します。

「天気痛の予兆が現れたとき、予報で天気が崩れることがわかったときなど行いましょう。ポカポカとして心地よくなるのがわかります。すぐには天気痛改善がみられなくても、2週間程度は続けてください」(佐藤先生)

(2)耳栓

気圧調整機能のついた耳栓をすることで、気圧変化から耳を守ります。

「体のなかで気圧の影響を最も受けやすいのは耳です。耳栓により天気の崩れにともなう気圧変化に対応します」(佐藤先生)

(3)痛み止め薬

ポイントは、痛みが出る前か、痛みが出たらすぐに服用することです。

「痛みを我慢してタイミングを逃してしまうと、痛みを感じる神経が敏感になってしまいます。薬が効きにくくなると、服用量も増えてしまうおそれがあります」(佐藤先生)

※何らかの疾患で医師から処方を受けている場合は主治医に相談します

(4)ツボ

天気痛の予兆を感じたら、「内関(ないかん)」というツボを刺激します。

「酔い止めに効くツボとして知られていますが、めまいなどの天気痛にもよいです。指で刺激するか、ツボの上に米粒を1粒のせて絆創膏でとめてもいいです」(佐藤先生)

梅雨入り前にやっておきたい対策

曇りや雨の日が多くなる梅雨に向け、やっておきたい天気痛対策があります。

「1つは運動すること。決して激しいスポーツやトレーニングをする必要はなく、軽く汗をかく程度の運動を習慣にしましょう。適度な運動は、全身の血行を改善し、自律神経を整えるのに役立ちます。汗をかくことは夏の暑さへの体の準備となるのも、この時期に始めておきたい理由です。

ウォーキングや水泳のような、ゆっくり長く体を動かせるものがおすすめです。そのほかにも体操やストレッチなど、日常生活のなかでなるべく体を動かすことを心がけましょう」(佐藤先生)

もう1つ取り組みやすく、効果的なのが食事だといいます。

「自律神経の乱れを整えるには、1日3食の規則正しい食事です。生活にリズムが生まれて、自律神経の切り替えもうまくいくようになります。

神経の興奮を抑えるビタミンB群、体と心のストレスによいマグネシウムや亜鉛などを多く含む食品も意識してとりたいものです。また、貧血気味のときはだるさなど天気痛をまねきやすいので、鉄分も不足しないようにしましょう」(佐藤先生)

全国的な梅雨入りはもうすぐ。また、今年の夏は全国的に気温が高くなり猛暑日も増えると予想されています。梅雨時の天気に負けないよう備えていきましょう。

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