秋にかけてラニーニャ現象が発生する可能性が高い(エルニーニョ監視速報)
ウェザーニュース / 2024年7月10日 14時30分
気象庁は10日(水)に最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ監視海域の海面水温は平常の範囲内になっています。これから秋にかけてはラニーニャ現象が発生する可能性が高い状況です。
監視海域の海面水温は基準値に近い値
6月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は−0.2℃と前月よりも低下し、基準値に近い値になっています。
太平洋赤道域の海洋水温は、西部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年よりやや不活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年並みです。
こうした海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態であることを示しています。
8月以降はラニーニャ現象発生の確率上昇
![](https://smtgvs.cdn.weathernews.jp/s/topics/img/202407/202407100135_box_img1_A.png?1720588644)
実況では太平洋赤道域の中部から東部に海洋表層の冷水が見られています。
エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると、太平洋赤道域の西部から中部で貿易風が強まるとともに、中部から東部の冷水がさらに強まる見通しです。秋にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値か低い値で推移すると予測しています。
8月にはラニーニャ現象が発生する可能性が50%まで上昇し、9月以降は60%と平常の状態よりもラニーニャ現象が発生する確率が高くなっています。
エルニーニョが解消しても海面水温は高温傾向
![](https://smtgvs.cdn.weathernews.jp/s/topics/img/202407/202407100135_box_img2_A.png?1720588644)
ラニーニャ現象は発生するとしても8月以降になる見通しで、この夏の気候に直接的な影響を与えることはないとみられます。昨年から世界的に海面水温の高い状況が続き、ラニーニャ現象に移行しても大きな傾向には変化がない見込みです。
海面水温が高いことで気温も高くなりやすく、日本でも9月にかけての平均気温は全国的に平年を上回る予想となっています。
ラニーニャ現象の発生がなくても厳しい暑さが予想されますので、熱中症への警戒が必要です。
出典
気象庁
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