近畿・中国地方が梅雨明け 平年よりも短い梅雨に 気象台発表

ウェザーニュース

今日7月21日(日)、気象台は「近畿地方・中国地方が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。いずれも平年より2日遅い梅雨明けです。

今年は梅雨入りが遅かったため、梅雨の期間はおよそ30日間と、平年の約70%ほどの短い梅雨になりました（速報値）。

夏の高気圧が北への張り出しを強める

太平洋高気圧が北への張り出しを強めていることで梅雨前線が北に離れ、今日の西日本は晴れているところが多くなっています。

気象庁は、この先1週間程度の天気予報を考慮して、梅雨明けの発表を判断しました。

▼気象庁の発表
近畿地方の梅雨明け　大阪管区気象台発表
　平年より2日遅く、昨年より5日遅い
中国地方の梅雨明け　広島地方気象台発表
　平年より2日遅く、昨年より5日遅い

・梅雨入り／梅雨明けには平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。
・春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討の結果、期日が見直しされる場合があります。

平年より短い一方、雨の多い梅雨に

梅雨の期間は、近畿で30日間、中国地方で29日間（平年値ではいずれも43日間）という短さでしたが、同期間での降水量は平年よりも多くなったところが多くなりました。短くメリハリのある梅雨だったといえそうです。同じ期間で比較すると、彦根では平年の倍以上の雨が観測されました。

梅雨期間降水量（6月21日から7月20日まで）

	降水量	平年値	平年比
舞鶴	318.5 mm	223.6 mm	142 %
京都	274.0 mm	265.1 mm	103 %
彦根	521.0 mm	252.3 mm	207 %
神戸	335.0 mm	228.0 mm	147 %
大阪	359.0 mm	217.1 mm	165 %
和歌山	363.0 mm	213.5 mm	170 %
潮岬	377.0 mm	355.9 mm	106 %
奈良	397.0 mm	210.3 mm	189 %

梅雨期間降水量（6月22日から7月20日まで）

	降水量	平年値	平年比
西郷	422.0 mm	248.1 mm	170 %
松江	526.0 mm	265.2 mm	198 %
鳥取	378.5 mm	206.7 mm	183 %
広島	470.0 mm	312.9 mm	150 %
岡山	287.0 mm	206.3 mm	139 %

この先は晴れて真夏の暑さが続く

近畿・中国地方では、この先も太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多くなります。湿った空気の影響でにわか雨の可能性はありますが、梅雨前線の影響を受ける日は予想されていません。

気温がかなり高くなる日が続き、最高気温は35℃前後が連日予想されています。エアコンの効いた涼しいところで過ごすなどし、こまめな水分補給を心がけるなど熱中症予防を意識的に行ってください。

各地の梅雨明けは

今年はまだ九州北部地方と北陸地方、東北地方の梅雨明け発表がありません。

ウェザーニュースによる今年の梅雨の見通しでは、九州北部地方では早ければ明日にも、北陸や東北南部では今週中には梅雨が明けるとみています。東北北部は梅雨前線の影響を受けやすく、あと10日ほど梅雨空が続きそうです。

各地域の梅雨明け

	2024年 (◊は予想)	昨年	平年
沖縄	6月20日頃	6月25日頃	6月21日頃
奄美	6月23日頃	6月25日頃	6月29日頃
九州南部	7月17日頃	7月25日頃	7月15日頃
九州北部 (山口県を含む)	7月22日頃⬫	7月25日頃	7月19日頃
四国	7月19日頃	7月16日頃	7月17日頃
中国	7月21日頃	7月16日頃	7月19日頃
近畿	7月21日頃	7月16日頃	7月19日頃
東海	7月18日頃	7月16日頃	7月19日頃
関東甲信	7月18日頃	7月22日頃	7月19日頃
北陸	7月23日頃⬫	7月21日頃	7月23日頃
東北南部	7月23日頃⬫	7月22日頃	7月24日頃
東北北部	7月31日頃⬫	7月22日頃	7月28日頃

※ウェザーニュースによる独自予想
※梅雨明けは季節現象で、予想は5日間程度の移り変わり期間の中日を示します

梅雨入り・梅雨明けの発表は速報値　秋に見直されることも

梅雨は大雨による災害が発生しやすい時期であり社会的関心が高いことから、気象庁では現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに、速報的に「梅雨入り」「梅雨明け」の発表を行っています。

あくまで予報を用いた速報であるため、平年値等の統計に用いられる確定値は、実際の天候経過を考慮して秋になってから更新されることがあります。

2022年には梅雨入り・梅雨明けの期日が秋になってから大幅に見直され、20日間以上もの大修正となった地域もありました。今年も、梅雨入り発表後に晴れの日が続いた四国などでは、期日の見直しが行われるかもしれません。

梅雨入り・梅雨明けの発表で用いられる地域区分

沖縄地方	沖縄県
奄美地方	鹿児島県（奄美市、大島郡、十島村）
九州南部	宮崎県、鹿児島県（薩摩地方、大隅地方、種子島・屋久島地方）
九州北部地方	山口県、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県
四国地方	香川県、愛媛県、徳島県、高知県
中国地方	鳥取県、島根県、岡山県、広島県
近畿地方	京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
東海地方	静岡県、岐阜県、三重県、愛知県
関東甲信地方	東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県、千葉県、神奈川県、長野県、山梨県
北陸地方	新潟県、富山県、石川県、福井県
東北南部	山形県、宮城県、福島県
東北北部	青森県、秋田県、岩手県

※北海道は梅雨前線の影響が明瞭にならないため、気象庁の梅雨入り／梅雨明けの発表対象外です。

写真：ウェザーリポート（ウェザーニュースアプリからの投稿）