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エルニーニョ現象は終息 今後はラニーニャ現象発生の可能性(エルニーニョ監視速報)

ウェザーニュース / 2024年8月9日 15時40分

ウェザーニュース

気象庁は9日(金)に最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ監視海域の海面水温は平常の範囲内になり、エルニーニョ現象は終息しています。

今後、冬にかけてはラニーニャ現象の発生する可能性が高い状況です。

監視海域の海面水温は基準値に近い値

7月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.1℃で、前月よりもさらに低下し、基準値に近い値になっています。

また、エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の5月の値は+0.3℃となり、2023年春から続いていたエルニーニョ現象は、2024年春に終息したことが確定しました。

太平洋赤道域の海面水温は、西部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。海洋表層の水温は、中部から東部で平年より低くなっています。

太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)も平年より強くなりました。

このように、ラニーニャ現象時の特徴を示す指標も一部で見られていますが、総合的にはエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態であると考えられます。

冬にかけてはラニーニャ現象発生の確率上昇

実況では、太平洋赤道域の中部から東部に海洋表層の冷水が見られています。

エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると、太平洋赤道域の西部から中部で貿易風が強まるとともに、中部から東部の冷水がさらに強まる見通しです。冬にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値か、低い値で推移すると予測しています。

このことから、今後、冬にかけても平常の状態が続く可能性は40%、ラニーニャ現象が発生する可能性は60%と、平常の状態よりもラニーニャ現象が発生する確率が高くなっています。

エルニーニョが解消しても海面水温は高温傾向

ラニーニャ現象は発生するとしても9月以降になる見通しで、この夏の気候に直接的な影響を与えることはないとみられます。昨年から世界的に海面水温の高い状況が続き、ラニーニャ現象に移行しても大きな傾向には変化がない見込みです。

海面水温が高いことで気温も高くなりやすく、日本でも10月にかけての平均気温は全国的に平年を上回る予想となっています。

ラニーニャ現象の発生がなくても厳しい暑さが予想されますので、熱中症への警戒が必要です。

出典
気象庁

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