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週刊地震情報 2024.8.11 日向灘で40年ぶりのM7超 関東でも震度5弱の地震

ウェザーニュース / 2024年8月11日 11時0分

ウェザーニュース

この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前週より多い水準です。大きな地震が発生した日向灘など九州と関東で地震活動が目立っています。震度3以上の地震は6回発生し、そのうち最大震度6弱が1回、5弱が1回でした。(8月5日~11日10時の集計)

国内:日向灘の地震では初の震度6弱を観測

日向灘の地震

8日(木)16時43分頃、日向灘を震源とするマグニチュード7.1、深さ31kmと推定される地震が発生しました。この地震で宮崎県日南市で最大震度6弱、宮崎市、串間市、都城市、大崎町で震度5強を観測しています。

日向灘を震源とする地震で震度6弱以上の揺れを観測するのは1919年以降で初めてです。マグニチュード7以上は1984年8月のマグニチュード7.1以来の規模になります。1968年の日向灘地震はマグニチュード7.5と今回より大きな地震でしたが、当時は地震の観測地点が少なかったため、最大震度は5(当時の震度階級)でした。

地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。震源の深さやメカニズムから、沈み込むフィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震とみられます。

この地震では津波が発生し、宮崎県宮崎港で最大50cm、日南市油津で40cmを観測しました。

初の南海トラフ地震臨時情報発表

政府の地震調査研究推進本部は、日向灘で今後30年以内にマグニチュード7.1前後の地震が発生する確率が70〜80%としていて、今回の地震はこれに相当するものとみられます。

震源が南海トラフ巨大地震の監視領域内で、マグニチュードが6.8以上だったことから評価検討会が行われました。その結果、南海トラフ地震における大規模地震の発⽣可能性が平常時と⽐べて相対的に⾼まっていると判断され、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されています。

この情報が発表されるのは2019年の運用開始以来初めてです。​​

すでに地震への備えが十分にできている方は、改めて備えの確認を行い、これまであまり備えができていない方は、このタイミングで防災グッズや避難経路、ハザードマップなどの確認を行うようにしてください。

国内:関東では震度5弱 相模トラフ周辺での活動か

神奈川県西部の地震

9日(金)19時57分頃、神奈川県を震源とするマグニチュード5.3、深さ13kmと推定される地震が発生しました。この地震で神奈川県厚木市、中井町、松田町、清川村で最大震度5弱、横浜市戸塚区、川崎市宮前区、小田原市、相模原市、東京都町田市、国分寺市、埼玉県所沢市、山梨県大月市、都留市などで震度4を観測しています。

神奈川県西部を震源とする震度5弱の地震は2007年10月以来、17年ぶりです。地震のメカニズムは南北方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

震源の深さや地震のメカニズムから沈み込むフィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震とみられます。

フィリピン海プレートが沈み込む境界付近で発生したという点では日向灘の地震と同様ですが、南海トラフではなく、相模トラフの領域です。南海トラフの活動との関連性は薄いものの、周辺では1923年の大正関東地震(関東大震災)など大地震が起きています。

国内:オホーツク海ではM6.8の深発地震

オホーツク海南部の地震

10日(土)12時29分頃、オホーツク海南部を震源とするマグニチュード6.8、深さ約490kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道函館市、青森県八戸市、むつ市、階上町、平内町、岩手県盛岡市で震度3を観測しています。

この地震では震源に近い北海道のオホーツク海側では震度1以上を観測した所が少なく、震源から離れた東北太平洋側などで震度3を観測しました。

地震の規模が大きな深発地震の場合、遠方に強い揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布が見られます。異常と呼ばれてはいますが、しばしば起きる深発地震の時に現れる現象です。

深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなることがあります。今回の地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って、北海道や東北の太平洋沿岸に揺れが伝播したものと考えられます。

オホーツク海では同様の地震が過去にも起きていて、2012年のマグニチュード7.3の地震では揺れが関東まで到達しました。規模の大きな深発地震は震源から遠い所で強い揺れになることがあるため注意が必要です。

世界:日本周辺以外では大きな地震なし

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。その2回は前述した日向灘の地震とオホーツク海南部の地震です。

今回はアメリカ西海岸の地震に注目します。日本時間の7日(水)午後、アメリカ・カリフォルニア州を震源とするマグニチュード5.2、深さ約12kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは南北方向に圧力軸を持つ型で、横ずれ成分も大きくなっています。

震源近くでは改正メルカリ震度階級で最大VIIの揺れがあったとみられます。(厳密には比較できないものの、日本の震度階級では震度5弱〜5強程度に相当)ロサンゼルスでも揺れを観測しましたが、大きな被害は報告されていません。

今回の地震はアメリカ西海岸に伸びるサンアンドレアス断層の内陸側で発生しました。この領域は地震が多く、今回の震源近くでは1952年にマグニチュード7.5の規模の大きな地震が起きています。

出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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