台風上陸の岩手県は記録的な大雨に 1日で8月1か月分の2倍量を超える

ウェザーニュース

今日12日(月)8時半頃に台風5号（マリア）が岩手県大船渡市付近に上陸しました。岩手県では台風接近前から断続的に雨が降り、1日で8月1か月の2倍以上の大雨になっている所があります。災害の発生に厳重に警戒してください。

岩手県沿岸部には土砂災害警戒情報

台風中心付近や、台風に向かって吹き込む湿った東寄りの風の影響で、岩手県や宮城県を中心に雨雲が発達しています。岩手県岩泉町では6時00分までの1時間に15.5mmのやや強い雨、宮城県女川町では9時20分までの1時間に25.5mmの強い雨を観測するなど、特に沿岸部で雨が強まっている状況です。

岩手県では台風接近前から雨が続いていて、今朝までの24時間降水量は久慈市下戸鎖(しもとくさり)で368.5mm（7時20分まで）、大槌町で241.5mm（9時20分まで）になりました。いずれも8月1か月分の降水量を1日で大きく上回り、下戸鎖では2倍以上の大雨になっています。岩手県沿岸部には土砂災害警戒情報が発表中です。また、河川は氾濫危険水位に達している所があります。危険なため、決して様子を見に行ったりしないでください。

周辺では風も強く、台風が上陸した大船渡市では8時21分に最大瞬間風速27.3m/sを観測しました。岩手県や青森県では停電が発生している所があります。

さらに降水量が増えるおそれ

台風5号は今後も北西に進み、東北北部を横断して夜には日本海に進む見通しです。東北北部では台風中心付近の活発な雨雲が通過して、1時間に30〜50mmほどの激しい雨になるおそれがあります。道路冠水や低地の浸水、河川の急な増水に注意が必要です。

台風の動きがあまり速くないため、さらなる降水量の増加も見込まれます。すでに大雨になっている岩手県は土砂崩れや河川の氾濫などに厳重に警戒してください。7月下旬に水害に見舞われた秋田県や山形県でも新たな災害が発生するおそれがあります。不要不急な外出は控え、身の安全を第一に行動してください。

風も強く、横殴りの雨になることがあります。停電や、飛来物などにも注意が必要です。台風が離れるまで、飛ばされやすいものは屋内で仕舞ったままでお願いします。