台風10号(サンサン)は非常に強い勢力に 奄美が暴風域に入る 週後半は列島縦断

ウェザーニュース

8月27日(火)10時現在、台風10号(サンサン)は鹿児島県の奄美地方に接近中です。今朝よりさらに発達し、「非常に強い勢力」となりました。奄美地方の一部が暴風域に入っています。

▼台風10号　8月27日(火) 10時推定
　中心位置　　　奄美市の東 約120 km
　大きさ階級　　／／
　強さ階級　　　非常に強い
　移動　　　　　西北西　ゆっくり
　中心気圧　　　950 hPa
　最大風速　　　45 m/s (中心付近)
　最大瞬間風速　60 m/s

台風の目が出現

台風の発達に適した海域を進み、台風10号は強い勢力から非常に強い勢力になりました。衛星画像を見ると、昨日26日(月)までは見えていなかった台風の目がはっきりと確認出来ます。

鹿児島県奄美地方の喜界島は、暴風域に入りました。10時38分には27.3m/sの最大瞬間風速を観測しています。

台風を移動させる風が弱く、今日は次第にスピードを落とす予想です。奄美地方では次第に暴風・大雨の影響が大きくなり、28日(水)にかけて影響が継続するおそれがあります。種子島・屋久島地方でも28日(水)からは暴風の影響が大きくなるため警戒が必要です。

暴風が続き停電などの影響が長引くおそれ

台風は非常に強い勢力を保ったまま29日(木)頃に九州本土に接近、上陸し、9月1日(日)にかけて比較的遅い速度で西日本から東日本に向けて日本列島を縦断する見込みです。

九州では28日(水)頃から台風本体による影響が大きくなり、瞬間的に40〜50m/sの猛烈な暴風が吹き荒れるおそれがあります。その他の地域でも暴風となり、影響が長引くおそれがあります。

停電や、物流への影響などが数日にわたり継続するおそれがあるため、早めの備えをお願いします。

総雨量は500mm以上　台風の動き次第でさらに増えるおそれ

すでに台風の最も外側の雨雲が本州にかかりはじめました。西日本から東日本の太平洋側には台風の周囲をまわる湿った空気も流れ込み、局地的に非常に激しい雨となっています。東海では24時間雨量が200mmを超えている所もあります。

この先は台風の北上に伴い、台風本体の雨雲がかかる地域で断続的に激しい雨の降るおそれがあります。特に、南東からの風が山にぶつかる地域などで雨量がかなり多くなるおそれがあり、九州や四国の太平洋側の多い所では総雨量が500mm以上、東海でも300mm以上に達する予想です。河川の氾濫や土砂災害等に厳重な警戒が必要です。

台風の動きがより遅くなった場合は強い雨が長引いて、記録的な大雨となる可能性があります。避難などを行う場合は早めに判断するようにしてください。

また、気象庁は「東海地方では27日(火)午前中は線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある」との気象情報を発表しています。線状降水帯が形成された場合には非常に激しい雨が数時間継続し、想定以上の大雨となるおそれもあります。線状降水帯が発生しなくても雨量がかさんで大雨となることも考えられるため、線状降水帯の情報だけにとらわれることなく、避難情報等に従い適切な行動をとるようにしてください。

台風の暴風域に入る確率

5日先までに台風の暴風域に入る確率が50%以上の府県予報区は以下の通りです。（気象庁）
　岡山県　　　　　　　　　　　　52 %
　広島県　　　　　　　　　　　　59 %
　山口県　　　　　　　　　　　　58 %
　徳島県　　　　　　　　　　　　45 %
　香川県　　　　　　　　　　　　51 %
　愛媛県　　　　　　　　　　　　62 %
　高知県　　　　　　　　　　　　59 %
　福岡県　　　　　　　　　　　　67 %
　佐賀県　　　　　　　　　　　　61 %
　長崎県　　　　　　　　　　　　68 %
　熊本県　　　　　　　　　　　　80 %
　大分県　　　　　　　　　　　　72 %
　宮崎県　　　　　　　　　　　　81 %
　鹿児島県
　　薩摩・大隅地方（甑島除く）　 92 %
　　種子島・屋久島地方　　　　　96 %
　　奄美地方　　　　　　　　　　100 %

既に奄美地方には暴風・波浪警報が発表されていて、その他の地域でも今後、暴風警報、波浪警報、高潮警報、大雨警報などが発表される可能性があります。台風の進路や進行速度によっては交通機関への影響も拡大し、鉄道の運転見合わせや高速道路の通行止めなどの影響が長引くことが考えられます。

台風から遠い北日本でも激しい雨に

北日本には秋雨前線が停滞しています。台風の周囲をまわる湿った空気の影響で前線の活動が活発になり、断続的に雨が強まっている状況です。

北海道厚真町では6時21分までの1時間に47.5mmの激しい雨を観測しました。道南や道央、道北の一部には大雨洪水警報が発表されています。

前線は月末にかけて北日本に停滞する予想で、北日本では雨の降りやすい状況が続きます。局地的には1時間に50mm以上の非常に激しい雨の降るおそれがあるため、河川の増水や土砂災害などに警戒が必要です。特に前線が南下する今夜以降は、7月に水害に見舞われた秋田県や山形県でも雨の強まる可能性があります。自治体からの情報にも注意し、危険な場所からは離れてお過ごしください。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風10号の名前「サンサン（Shanshan/珊珊）」は香港が提案した名称で、少女の名前が由来です。