非常に強い台風10号 少し北寄りに進路を変える 月初にかけて列島縦断
ウェザーニュース / 2024年8月27日 18時9分
8月27日(火)17時現在、非常に強い勢力の台風10号(サンサン)は鹿児島県奄美市の東をゆっくり進んでいるとみられます。昼頃に比べると、やや北寄りに進路が変わってきました。暴風域に入っている鹿児島県の奄美地方では引き続き暴風や高波、高潮、大雨に厳重な警戒が必要です。
▼台風10号 8月27日(火) 17時推定
中心位置 奄美市の東 約90 km
大きさ階級 //
強さ階級 非常に強い
移動 北北西 ゆっくり
中心気圧 950 hPa
最大風速 45 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 60 m/s
奄美地方では12000戸以上で停電が発生中
台風10号は依然として動きが遅く、奄美地方近海に位置しています。暴風域に入っている喜界島では午前中よりもさらに風が強まり、17時39分には42.7m/sの最大瞬間風速を観測しました。平均でも20〜30m/sの風が吹き荒れています。
奄美大島も一部が暴風域に入っていて、奄美市笠利では15時55分に28.8m/sの最大瞬間風速を観測しました。九州電力によると17時53分現在、喜界町で約4690戸、奄美市で約7150戸など、12000戸以上で停電が発生中です。奄美地方には暴風・波浪・高潮警報が発表中されています。
また、台風中心付近の活発な雨雲も断続的に通過しています。大島郡瀬戸内町古仁屋では17時10分までの1時間に10.0mmの雨を観測しました。
台風を移動させる風が弱いため、奄美地方では明日28日(水)にかけて影響が継続する予想です。停電の復旧にも時間がかかるおそれがあります。雨や風が強く窓が開けられない状況で室内では蒸し暑くなりますので、熱中症にもご注意ください。
種子島・屋久島地方でも、明日からは暴風の影響が大きくなる予想です。
九州中心に暴風となり影響が長引くおそれ
台風は29日(木)から30日(金)頃に九州本土に接近・上陸し、9月1日(日)にかけて比較的遅い速度で西日本から東日本に向けて日本列島を縦断する見通しです。
九州では28日(水)頃から徐々に台風本体による影響が大きくなり、瞬間的に40〜50m/sの猛烈な暴風が吹き荒れるおそれがあります。30日(金)以降は中国・四国、近畿なども暴風となる予想です。台風の速度が上がらず、影響が長引くおそれがあります。
停電や、物流への影響などが数日にわたり継続するおそれがあるため、早めの備えをお願いします。
九州や四国中心に大雨 1000mmに達するおそれも
西日本から東日本の太平洋側には台風の周囲をまわる湿った空気が次々に流れ込み、局地的に激しい雨となっています。東海では24時間雨量がすでに200mmを超えている所もあります。
この先は台風の北上に伴い、台風本体の雨雲がかかる地域で断続的に激しい雨の降るおそれがあります。特に、南東からの風が山にぶつかる地域などで雨量がかなり多くなるおそれがあり、九州や四国の太平洋側の多い所では総雨量が700mm以上、東海でも300mm以上に達する所がある予想です。河川の氾濫や土砂災害等に厳重な警戒が必要です。
台風の動きがより遅くなった場合は強い雨が長引いて、総雨量が1000mmに達するおそれがあります。記録的な大雨となる可能性がありますので、避難などを行う場合は早めに判断するようにしてください。
台風の暴風域に入る確率
5日先までに台風の暴風域に入る確率が50%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁)
長崎県 56 %
熊本県 66 %
大分県 49 %
宮崎県 62 %
鹿児島県
薩摩・大隅地方(甑島除く) 81 %
種子島・屋久島地方 87 %
奄美地方 100 %
奄美地方に加え、種子島・屋久島地方にも波浪警報が発表されました。その他の地域でも今後、暴風警報、波浪警報、高潮警報、大雨警報などが発表される可能性があります。台風の進路や進行速度によっては交通機関への影響も拡大し、鉄道の運転見合わせや高速道路の通行止めなどの影響が長引くことが考えられます。
台風から遠い北日本も前線の影響で大雨
日本海から北日本には秋雨前線が停滞しています。高気圧の縁辺や台風の周囲をまわる湿った空気の影響で前線の活動が活発になり、断続的に雨が強まっている状況です。午前中に比べると前線はやや南下し、東北でも雨が強まってきました。
前線は月末にかけて北日本に停滞する予想で、北日本では雨の降りやすい状況が続きます。局地的には1時間に50mm以上の非常に激しい雨の降るおそれがあるため、河川の増水や土砂災害などに警戒が必要です。
前線が南下する今夜以降は、7月に水害に見舞われた秋田県や山形県でも雨の強まる可能性があります。自治体からの情報にも注意し、危険な場所からは離れてお過ごしください。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風10号の名前「サンサン(Shanshan/珊珊)」は香港が提案した名称で、少女の名前が由来です。
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