非常に強い台風10号 最盛期に九州接近 特別警報の可能性も
ウェザーニュース / 2024年8月28日 10時41分
8月28日(水)10時の推定で、非常に強い勢力の台風10号(サンサン)は、引き続き発達しながら鹿児島県奄美市の北北東をゆっくり北上しているとみられます。種子島・屋久島でも風が強まってきました。午後にかけては九州本土も次第に暴風雨となる見通しで、気象庁からは特別警報を発表する可能性があると情報が出ています。厳重な警戒が必要です。
▼台風10号 8月28日(水) 10時推定
中心位置 奄美市の北北東 約110 km
大きさ階級 //
強さ階級 非常に強い
移動 北西 ゆっくり
中心気圧 935 hPa
最大風速 50 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 70 m/s
動きが遅く、今日は奄美地方から種子島・屋久島で暴風が続く
台風10号は奄美大島の近くをゆっくりとしたスピードでさらに発達しながら北上しています。昨夜、台風の中心がすぐ近くを通過した奄美地方の喜界島では44.2m/sの最大瞬間風速を観測しました。
10時推定では奄美大島の一部や喜界島、トカラ列島が暴風域に入っていて、九州電力によると9時55分現在も奄美大島や喜界島などでは1万戸以上で停電が続いている状況です。奄美地方には暴風・波浪・高潮警報が発表されています。
台風を移動させる風が弱いため、奄美地方は今日も暴風域内で非常に強い風が吹き荒れ、停電の復旧にも時間がかかるおそれがあります。雨や風が強く窓が開けられない状況で室内では蒸し暑くなりますので、熱中症にご注意ください。
種子島・屋久島地方も台風の中心が接近していることで、風が強まってきています。屋久島にあるアメダス尾之間では9時29分に37.1m/sの最大瞬間風速を観測しました。午後はさらに強い風が吹き荒れる予想です。
台風に関する特別警報発表の可能性も
台風は明日29(木)に最盛期の勢力で九州本土に接近し、30日(金)頃に上陸する見通しです。その後、9月1日(日)にかけて比較的遅い速度で西日本から東日本に向けて日本列島を縦断する予想になっています。
九州では徐々に台風本体による影響が大きくなり、進路に近い地域では瞬間的に40〜50m/sの猛烈な暴風が吹き荒れるおそれがあります。九州に接近する台風としては過去最強クラスとみられ、気象庁からも台風に関する特別警報(暴風、波浪、高潮)を発表する可能性があると情報がありました。
30日(金)以降は中国・四国、近畿なども暴風となる予想です。台風の速度が上がらず、影響が長引くおそれがあります。停電や、物流への影響などが数日にわたり継続するおそれがあるため、早いうちに備えを済ませるようにしてください。
九州や四国では1000mmに迫る大雨に厳重警戒
西日本から東日本の太平洋側は、台風接近前から湿った空気の影響で局地的に激しい雨となっています。特に連日雨が続いている静岡県では400mm近い大雨となっていて、すでに災害発生の危険性が高まっています。
台風の北上に伴い、九州南部には台風外側の活発な雨雲もかかり始めました。宮崎県日南市深瀬では9時40分までの1時間に73.5mmの非常に激しい雨、鹿児島県肝付町肝付前田では7時40分までの1時間に38.5mmの激しい雨を観測しています。
この先も台風本体の雨雲がかかる地域で断続的に激しい雨が降り続くおそれがあります。特に、南東からの風が山にぶつかる地域などで雨量がかなり多くなるおそれがあり、九州や四国の太平洋側の多いところではさらに700mm以上、東海でも300mm以上の雨が降る予想です。河川の氾濫や土砂災害等に厳重な警戒が必要です。
台風の動きがより遅くなった場合や線状降水帯が形成された場合などには、総雨量が1000mmに達するおそれがあります。九州ではこれまでの観測史上1位の記録を超えるような大雨となることが考えられる状況です。大雨に関する特別警報が発表される可能性もあります。避難などを行う場合は、荒天になってからではなく、早めに判断するようにしてください。
台風の暴風域に入る確率
5日先までに台風の暴風域に入る確率が50%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁)
愛媛県 64 %
高知県 59 %
福岡県 74 %
佐賀県 72 %
長崎県 84 %
熊本県 94 %
大分県 76 %
宮崎県 85 %
鹿児島県
薩摩・大隅地方(甑島除く) 99 %
甑島 99 %
種子島・屋久島地方 100 %
奄美地方 100 %
10時時点で、鹿児島の全域に暴風警報が、鹿児島県や宮崎県沿岸部、大分県・愛媛県の一部に波浪警報が発表されています。今後も九州を中心とした西日本の各地に暴風警報、波浪警報、高潮警報、大雨警報などが発表される可能性があります。台風の進路や進行速度によっては交通機関への影響も拡大し、鉄道の運転見合わせや高速道路の通行止めなどの影響が長引くことが考えられます。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風10号の名前「サンサン(Shanshan/珊珊)」は香港が提案した名称で、少女の名前が由来です。
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