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台風10号 弱まっても油断禁物 台風から離れた所も大雨警戒

ウェザーニュース / 2024年8月30日 10時15分

ウェザーニュース

8月30日(金)10時の推定で、台風10号(サンサン)は大分県国東半島付近を北東にゆっくり進んでいるとみられます。台風の勢力は次第に弱まっているものの、中心の近くだけでなく、離れた所にも大雨をもたらすとみられ、引き続き警戒が必要です。

▼台風10号 8月30日(金)10時推定
 中心位置   国東市付近
 大きさ階級  //
 強さ階級   //
 移動     北東 ゆっくり
 中心気圧   994 hPa
 最大風速   20 m/s
 最大瞬間風速 30 m/s


風は弱まっても活発な雨雲は健在

台風10号は陸地の影響を大きく受けたことで、急速に勢力を落としました。中心付近の最大風速は20m/sで、今日30日(金)に観測した最大瞬間風速は高知県室戸市・室戸岬の24.1m/sが最も強いものです。

台風の勢力は風によって定められるため、台風が弱まるとともに風は弱まっていきます。一方で、雨に関してはその限りではなく、今回の台風10号も現在は「雨台風」と言えるような性質に変わってきました。

中心近くの活発な雨雲こそはっきりしなくなりましたが、弧状の活発な雨雲「スパイラルバンド」が依然として取り囲んでいる様子がわかります。さらに西日本や東日本、東北の太平洋側では台風の周囲をまわる暖かく湿った空気の影響で雨雲が発達している所があり、河川の増水・氾濫や低地の浸水等が各地から報告されています。

今回は台風の接近前から雨の強まった所があり、総雨量が多くなっています。27日(火)から30日(金)9時までの雨量は、宮崎県えびの市・えびの高原で897.5mm、美郷町・神門で819.0mmに達しました。また、大分県由布市・湯布院は620.5mm、静岡市は555.0mmと、8月1か月の平年雨量の2〜3倍の大雨です。


台風の動きが遅いため今後も雨が続き、明日31日(土)朝までの24時間に降る雨の量は、台風の東側にあたる四国や紀伊半島南部で特に多くなる予想で、局地的には新たに200mm以上の雨が降るとみられます。台風の動きによっては、その後もさらに雨量が増加する見込みです。

これまでに降った雨により地盤が緩んで土砂災害が発生しやすくなっていたり、河川は氾濫が発生しやすくなっているおそれがあります。今後の雨に警戒し、浸水している場所や増水している川の近く、地盤の緩い傾斜地など危険な場所には引き続き近寄らないようにしてください。

台風から離れた関東や東北でも激しい雨に

台風から遠く離れた関東や東北でも雨の強まっている所があります。

台風10号の周囲を吹く風と、日本の東の海上に位置する太平洋高気圧の周囲を吹く風が関東付近で合流し、昨夜から活発な雨雲が次々に発生し、一部では24時間で300mmを超えるような記録的な大雨となりました。

また、湿った空気の流入に気圧の谷の接近が加わっている東北でも雨雲が発達しやすく、午後にかけて局地的に激しい雨が降る見込みです。

関東ではすでに河川氾濫が発生するなど影響が大きく、東北でも土砂災害や河川増水などのおそれがあるため、台風から離れていても警戒をしてください。

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

熱帯低気圧に変わって四国から近畿付近で停滞・迷走の可能性も

台風は今日30日(金)に九州を離れ、四国付近を東進する予想です。明後日9月1日(日)には熱帯低気圧に変わる見込みです。

熱帯低気圧に変わった後もすんなり東進せずに四国〜近畿付近で停滞し、迷走することが考えられます。上空の風「指向流」が弱いためです。

台風から熱帯低気圧に変わった場合も、中心がどこに存在するか次第で雨雲の分布が大きく変わってきます。雨雲が同じ場所に長くとどまった場合には局地的に雨量が想定以上になることも考えられるため、進路の変化にも注意が必要です。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風10号の名前「サンサン(Shanshan/珊珊)」は香港が提案した名称で、少女の名前が由来です。

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