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秋の虫の声 聞き分けられますか?

ウェザーニュース / 2024年9月7日 9時0分

ウェザーニュース

セミの声が響き渡っていた残暑が終わると、いよいよ秋を代表する虫たちの鳴き声が聞こえてくる時季が近づいてきました。

唱歌『虫のこえ』に出てくるマツムシ、スズムシ、コオロギなどが“秋の夜長”を代表する虫の鳴き声とされています。

秋の虫の声、8割が「聞いた♪」

ウェザーニュースでは9月6日(金)6時~7日(土)6時に、秋の虫の声を聞いたかアンケート調査を実施しました。

その結果、「聞いた♪」は全体の約8割の人が秋の虫の声を感じていて、東北や北陸、甲信エリアでは9割の人が聞こえているようです。

実際には夏の終わりから秋にかけて、どんなところでどんな虫たちの鳴き声が聞こえ始めるのでしょうか。兵庫県立 人と自然の博物館(三田市)自然・環境再生研究部コミュニケーション・デザイン研究グループ主任研究員の八木剛(やぎ・つよし)さんに伺いました。

よく聞かれるのはマツムシ、スズムシ

虫はどのようにして「鳴き声」を上げるのでしょうか。

「マツムシやスズムシ、コオロギなどの『鳴き声』とされているのは、2枚の前翅(ぜんし=前羽)をこすりあわせて出る音で、腹部の背面との間の空間に共鳴してそれぞれ特徴ある響きを奏でます。コオロギなどの仲間の一部を除いて音を立てるのはオスだけで、メスの注目を集めるためとされています」(八木さん)

秋の虫の声

よく「鳴き声」が聞かれる虫にはどんなものがあり、どんなふうに聞こえますか。

「マツムシの鳴き声は郊外の公園や道路の法面(のりめん)などでも比較的よく聞かれます。

マツムシは『虫のこえ』の歌詞では『チンチロチンチロチンチロリン』とされていますが、それを意識しないと『ピッピキピ』とも聞こえるようです。

スズムシは、メスがいるときは『リーン、リーン』、いないときには『リー、リー』です。野外ではオス単独で鳴いていることが多いので、メスもいっしょに飼育されているスズムシの声とはずいぶん違う印象を受けます。

クツワムシは歌詞のとおり『ガチャガチャガチャガチャ』と大きな鳴き声を出します。各地で数を減らしているようですが、クツワムシの声は大きいおかげで車の中からの"ドライブスルー"観察でもよく聞こえます。ただし、東日本にはいません」(八木さん)

木の上にはカネタタキ、アオマツムシ、クサヒバリなど

そのほか里山などに分け入らなくとも聞かれる虫の声にはどんなものがありますか。

「『チン・チン・チン……』と小さめの声で鳴くカネタタキは、民家の生垣などにいます。ときに窓辺で鳴いていることもあります。いちばん身近なところにいる鳴く虫かもしれません。

アオマツムシは、都市部の街路樹の上にいて、車が通っても気にせず大きな声で『リー、リー』と鳴きます。

クサヒバリは『フィリリリリリー』と美しく鳴きますが、アオマツムシの声にかき消されやすいので、午前中に耳をすませて観察するのがおすすめです。

街なかの植え込みや草むらの高いところでは、ヒロバネカンタンが『ルー、ルー』とよく鳴いています。初夏と秋に羽化するので、夏でも声が聞けます」(八木さん)

草むらにはコオロギの仲間

コオロギの声もよく聞かれます。

「スズムシやマツムシと同様に、コオロギの仲間はおもに草むらの地面付近など低いところにすんでいます。

頭頂と側頭が三角にとがっているのが特徴のミツカドコオロギは、『キキキッ』と金属的な高い音。

原っぱにすんで正面から“おかめ”のように見えることから名づけられたハラオカメコオロギは『リリリリリ、リリリリリ』と5~6音階ずつに区切ります。

ツヅレサセコオロギは『リ・リ・リ・リ・リ……』と夜を通して延々と鳴き続けています。

エンマコオロギは、メスがいるときは『ヒリヒリリリーリー』、いないときは『ヒリヒリヒリリ』と鳴きます」(八木さん)

"秋の虫"が鳴き声を出し始める時期は種類や地域、年ごとによって差がありますが、これから徐々に鳴き声が大きくなっていきます。

"秋の夜長を、鳴き通す"虫の声の風情を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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