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2024年は猛暑日が過去最多 温暖化が進むと猛暑日はどうなる?

ウェザーニュース / 2024年10月6日 15時30分

ウェザーニュース

昨年に続いて今年も記録的な猛暑になりました。特に際立ったのは猛暑日の多さで、様々な記録を更新しています。温暖化が進むことで、猛暑日はどのようになっていくのでしょうか。

今年の猛暑日地点はのべ10,000地点超

福岡県太宰府市では7月19日〜8月27日まで40日連続で最高気温が35℃以上の猛暑日となり、年間では62日といずれも国内の歴代最高を更新しました。そのほか、福岡市や大阪市、名古屋市なども年間猛暑日日数は過去最多になっています。全国のアメダスで観測された猛暑日ののべ地点数は、10,000を超え昨年を大幅に上回る過去最多でした。

7月は日本の南で太平洋高気圧が強く張り出し、梅雨明け以降は西日本、東日本の広い範囲で猛烈な暑さとなりました。8月に入り日本の南東海上で低気圧が形成された一方で、ジェット気流が大きく北に蛇行したため、西日本を中心に背の高い高気圧に覆われやすく、猛暑が続いたとみられます。さらに9月に入っても高気圧の勢力の強い状況が継続したことで、猛暑日の日数が大きく増加しました。

2000年代は猛暑日の増加が顕著に

主要都市の観測開始からの猛暑日日数の推移を見ていくと、大阪市や名古屋市は1940年代に一時的に増加した時期がありました。

福岡市や東京都心も合わせて見ると、1980年代あたりから右肩上がりで、2000年代になると、その傾向は顕著です。日本の夏の気温が上昇基調になるのに合わせて、猛暑日も増えていることがわかります。

1940年代に増加がみられているように、自然変動による増減はあるものの、近年の増加傾向からは温暖化が大きく関連している可能性は高いと考えられます。

今後の猛暑日の推移は?

今後も温暖化が進んでいくと、猛暑日はさらに増えていくのでしょうか?

温室効果ガス(CO2)排出の削減が進まないと仮定したシナリオであるRCP8.5をもとに、ウェザーニュース気候テックチームが解析した結果、2050年頃には大阪市で40日前後と、今年(41日)レベルの猛暑日日数が普通になるとみられます。最悪のシナリオで進んだ場合は2100年には大阪市で70日以上、名古屋市で60日以上、東京都心でも40日以上に達する可能性もあります。大阪市では1年の20%以上が猛暑日ということになる計算です。

過去最も暑い夏となった今年のような状況が、普通の状態になることも否定ができません。

2年連続で記録的な猛暑となって、今年も生活の様々な面への影響がありました。あまりに厳しい暑さだったことで、温暖化が身近に迫っていると感じた方も多かったかかもしれません。このまま地球温暖化が進行すると将来的には今年のような暑さが普通になって、熱中症によって体調を崩したり亡くなるような方が増加することが懸念されます。

温室効果ガスの削減が進んだ場合の解析では、猛暑日日数は微増に留まると考えられています。今後の熱中症リスクを減らすには、温暖化の進行を遅らせることが効果的です。

温暖化の影響は私たちの生活にも大きな変化をもたらす可能性があるものです。ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。

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