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金木犀と銀木犀 見分け方・香りの違い

ウェザーニュース / 2024年10月15日 9時0分

ウェザーニュース

金木犀(きんもくせい)の香りが漂う季節となりました。路地や庭先に広がる甘く濃厚な香りに包まれると、「ああ、秋が来たな」と感じる方も多いのではないでしょうか。

ウェザーニュースのアプリ利用者を対象に、10月10日(木)から11日(金)にかけて「キンモクセイの香りは?」というアンケート調査を実施しました。その結果、東北南部や関東北部、甲信地方では「匂った」「絶賛匂い中」と回答した方の割合が50%を超えました。一方で東京都心は17%、大阪は5%、愛知は4%にとどまり、地域によって大きな差があるようです。


ところで皆さんは、金木犀と銀木犀(ぎんもくせい)の違いをご存知ですか? 二つの花の特徴と見分け方を、公益財団法人日本花の会研究員の小山徹(こやま・とおる)さんに伺いました。

金木犀とは?

秋の花といえばコスモスや菊が思い浮かびますが、香りの強さから圧倒的な存在感を誇る秋の花が金木犀です。金木犀とは、どんな花なのでしょうか。

「金木犀のモクセイは、『木犀』と書きます。由来は、樹皮が動物の犀(サイ)の肌に似ているからです。

金木犀は、木犀科の常緑高木で樹高は5~10m。原産地は中国です。耐寒性、耐暑性ともに普通で、9月~10月にオレンジ色の花を咲かせます。

庭木や公園の樹木や街路樹として広く利用され、香りで存在に気づくくらいの圧倒的な芳香を放つのが特徴です」(小山さん)

銀木犀もあった

銀木犀という花もあるのですね。同じ樹木から金木犀と銀木犀に種類が分かれたのでしょうか?

「そうではありません。植物学の分類では銀木犀が先にあって、金木犀は銀木犀の変種とされています。

銀木犀は、木犀科の常緑高木で樹高は3~10mです。原産地が中国。耐寒性、耐暑性ともに普通であることは、金木犀と同じです。9月~10月に黄色がかった白か淡い黄色の花を咲かせます」(小山さん)

金木犀と銀木犀の見分け方

金木犀と銀木犀は、どのように見分ければいいのでしょうか。

「花が咲いている期間は、花の色で見分けてください。その名の通り、金木犀の花の色は『金』を思わせる華やかなオレンジ色、銀木犀の花の色は『銀』を思わせる白に近い黄色か淡い黄色です。

花が咲いている期間に発する香りにも違いがあります。金木犀の香りがとても強いのに比べ、銀木犀の香りは金木犀ほど強くありません。匂いは似ていますが、花に近づいて確認しなければわからないほどです。

花の咲く時期はほとんど同じですが、金木犀のほうがやや先に咲きます。感覚としては金木犀が満開の頃、銀木犀が咲き始める感じです」(小山さん)

花が咲いていない時期は、どのように見分ければいいのでしょうか。

「葉の違いで見分けてください。銀木犀の葉は厚みがあり、全体あるいは先端に鋸歯(きょし:のこぎりの歯のようなギザギザ)があります。金木犀の葉は銀木犀に比べて幅が狭く、鋸歯がありません。葉の厚みも薄いのが特徴です」(小山さん)

日本にはいつからあった?

その他、金木犀や銀木犀についての豆知識を教えていただきました。

「どちらも花が薬用として使われます。薬効は胃炎、低血圧症、不眠症などです。

金木犀の花は、乾燥させて桂花茶(けいかちゃ)として飲まれています。甘い香りが強く、そのまま煎じて飲んだり、紅茶やウーロン茶に混ぜて飲まれたりします。

金木犀はもともと日本にあった植物ではなく、江戸時代に中国から輸入されたと言われています。そのとき持ち込まれたのが雄株だけだったので、結実しません。日本には雄株しかないので、ずっと挿し木で増やしているのです。

秋の金木犀は、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子(クチナシ)と並んで三大香木と呼ばれます。冬の蠟梅(ロウバイ)を入れて四大香木と呼ばれることもあります」(小山さん)

金木犀と銀木犀、その違いが分かると、秋の楽しみが一つ増えますね。今年は散歩の折にこの二つの花の色と香りを確かめてみてはいかがでしょう。

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