2025年春の花粉飛散予想 西日本では過去10年で最多に匹敵する大量飛散のおそれ
ウェザーニュース / 2024年10月1日 12時45分
第一回花粉飛散傾向
来年2025年春の花粉飛散量は、西日本や北陸、関東北部で2024年を大きく上回る予想で、ほとんどの地域で平年(2015〜2024年の平均飛散量)と比べても多くなる見込みです。中でも西日本では、平年比で200%を超える地域もあり、過去10年で最多に匹敵する大量飛散になるとみています。
一方で、北日本では、2024年を下回る地域が多い見込みですが、平年と比較すると平年並の地域が多くなる予想です。
関東南部や甲信、東海では、2024年並みの飛散量の見通しです。
全国平均では、平年比166%の飛散量となる予想です。
西日本では飛散量が増える「表年」傾向が顕著に
今年の夏は広範囲で平年より日照時間が多く、全国的に気温がかなり高かったため、花粉の発生源となる雄花の生長に適した天候となりました。
このため、来年2025年が飛散量が多くなる「表年」傾向となる西日本や北陸、関東北部では、前年より大幅に飛散量が増える見込みです。特に西日本では大量飛散となるおそれがあり、過去10年で最も多いか、もしくはそれに匹敵する飛散量となる予想です。例年以上の万全な対策が必要となります。
また、来年2025年が飛散量が少なくなる「裏年」傾向の北海道や東北北部でも平年並の飛散量を予想しているため、油断せずに対策をしっかりと行ってください。
2024年比
2025年春の花粉飛散量を昨年比で見ていくと、西日本や北陸、関東北部では大きく上回り、北日本では下回る地域が多い予想です。全国平均では167%となる見込みです。
特に西日本では2024年の飛散量が非常に少なかったため、大量飛散が予想される2025年春は一部の地域では2024年の8倍以上の飛散量になると考えられます。
一方、東北北部や北海道では2024年の飛散量が多かったことから、2024年比で50%を下回る地域がある予想です。
また、関東南部や甲信、東海の一部では、2024年並みの飛散量の見込みです。
夏の天候と年ごとの増減傾向がカギ
花粉の飛散量予想は、主に前年の夏の天候と年ごとの飛散量の増減傾向を基に算出しています。2025年の飛散量予想の背景は以下の通りです。
■雄花の生長に適した夏
前年の夏に十分な日照があり、気温が上がるほど光合成が盛んになり、花粉の発生源となる雄花の生長が促される傾向があります。・2024年の夏は日本付近で高気圧の勢力が強まる日が多くなったことで、広範囲で平年より日照時間が多く、全国的に気温はかなり高くなりました。このため、雄花の成長に適した天候でした。
・北日本の日本海側では、7月から8月上旬にかけて低気圧や前線の影響を受ける日が多く、日照時間が平年をやや下回る地域がありましたが、平年並みの雄花の生長が見込まれる天候だったとみています。
■年ごとの飛散量の増減傾向
花粉の飛散量は周期的に増減し、花粉の飛散が多い年と少ない年が交互に訪れる傾向があります。飛散量が多い年を「表年」、少ない年を「裏年」と呼びます。エリアによって増減の周期は異なり、「表年」「裏年」も異なります。夏の天候等の影響で「表年」「裏年」の区別が不明確になる年もあります。・2024年は西日本や北陸、関東北部で飛散量が前年よりも少なくなったため、2025年は飛散量が増える「表年」になると予想しています。特に減少幅が大きかった西日本では、2025年は「表年」傾向が強く現れるとみています。
・北海道や東北北部は2024年の飛散量が前年・平年より多くなったため、2025年は「裏年」傾向が強くなり、飛散量が減る見込みです。
・関東南部や東海の2024年の飛散量は天候の影響を受けて表年・裏年が明確には現れませんでした。そのため、2025年も表年・裏年の影響は小さいとみています。
高温多照で雄花の生育に適した夏に
以上をまとめますと、今年の夏は広範囲で平年を上回る日照時間と、全国的に非常に気温が高かったため、雄花の生長に適した天候となりました。
このため、飛散量が多くなる「表年」傾向の西日本や北陸、関東北部では前年比で大幅に飛散量が増え、飛散量が少なくなる「裏年」傾向の北海道や東北北部でも平年並の飛散量を予想しています。
油断せずに対策をしっかりと行ってください。
2025年の花粉開始時期や飛散ピークについてまとめた「第二回花粉飛散傾向」は12月上旬に発表する予定です。
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