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富士山周辺に“笠雲”や“つるし雲”が出現 湿った空気と強い風の影響

ウェザーニュース / 2024年10月7日 8時15分

ウェザーニュース

今日10月7日(月)は朝から富士山周辺では“笠雲”や”つるし雲”が見え隠れしています。

笠雲やつるし雲は上空の風に乗って流れる普通の雲と違い、一度出現すると場所がほとんど動かないという特徴があります。今日の天気下り坂を示唆するものとなります。

笠雲のできる仕組み

笠雲は富士山のような高い山の山頂付近に出現する雲です。山が笠を被っているように見えることから笠雲と呼ばれます。
 ・ある程度の強風が吹いている
 ・上空の空気の湿度が高い
という気象条件の時に発生しやすくなります。

強い風が山にぶつかると、両側や上方に風の流れが変わります。空気が湿っていると、空気が山にぶつかって持ち上げられると膨張して冷えることで雲ができ、山頂の風下側では再び空気が下ることで空気が暖まって雲が消える、という原理で山頂付近にだけ雲ができるのです。

時間が経過しても空気の流れは急には変化せず、風が上昇する過程で雲ができて、風が下降する過程で雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、同じ場所で雲が止まって見えるわけです。

つるし雲とは

つるし雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、高い山の風下に出現します。笠雲と同じように、上空を強い風が吹いていて空気が湿っている時に発生しやすくなります。

その様子が山の風下に吊されているように見えるので「つるし雲」と呼ばれます。

強い風が山にぶつかると風の流れが変わり、風下では上下に振動する空気の波ができます。これを山岳波と呼びます。空気が湿っていると、波の山の部分で空気が上昇することで雲が発生し、波の谷の部分で空気が下降することで雲が消える、という原理で波に沿って雲ができます。

波の上下する場所はほぼ一定なので、空気は入れ替わっていても同じ場所で雲が出現し続けるわけです。

富士山のような単独峰の風下では円盤状や手羽先状のレンズ雲になり、山脈の風下に出来る場合は山脈と平行な帯状のロール雲になります。

天気は下り坂へ

今日は日本海側に秋雨前線があり、富士山周辺では前線の南側に広がる湿った空気に覆われています。低い雲が出たり消えたりしていて、その少し高いところにある笠雲やつるし雲が見えたり隠れたりしている状況です。

富士山の山頂付近、上空3000~4000mあたりでは風速15m/s以上の西寄りの強めの風が吹いていることで、笠雲やつるし雲を作り出していると考えられます。

今日は前線がゆっくりと南下するため、天気は下り坂に向かいます。だんだんと雲が厚くなり、午後にかけてはにわか雨の可能性があります。明日は富士山周辺でも雨が降る予想です。富士山の笠雲やつるし雲が低い雲に遮られて見えなくなってきたら、雨が近づいているサインとなります。雲や富士山の見え方に注目です。

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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