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乾燥肌を防ぐために今摂りたい栄養は? 秋の美肌を保つ食事

ウェザーニュース / 2024年11月5日 5時10分

ウェザーニュース

今年は猛暑が続き秋の訪れが遅くなりましたが、急な季節の進みに体がついていくのも大変です。不調がわかりやすく現れるのは肌かもしれません。さらに、秋は乾燥肌も心配です。

ウェザーニュースで最近の肌の調子に関するアンケート調査を実施したところ、4〜6割の方がすでに「かさかさ」になっていることがわかりました。気温が低くなりやすい北海道や東北では6割近くに上ります。

管理栄養士で健康検定協会理事長の望月理恵子さんは、「食べたものが”肌に出る”」といって、正しい食事をすることの重要性を説きます。美肌のために摂りたい栄養、おすすめの食べ物など、教えていただきましょう。

酷暑の肌ダメージは秋にも影響

今夏は暑さがひどく、強い紫外線や汗の刺激、エアコンによる乾燥など、肌にとって厳しいものがありました。夏の間に受けたダメージは、夏が終わった後も肌に残っているようです。さらに追い討ちをかけたのが、季節が進むことによる急激な環境の変化です。

「これからの時期は夏の紫外線や疲労などのダメージに加え、気温や湿度の変化、秋の紫外線、自律神経の乱れなどにより、肌に負荷がかかりやすくなります。

また冬に向けて空気が乾燥することで肌の水分が蒸発しやすくなり、肌のバリア機能が低下し、肌荒れが起こりやすくなります」(望月さん)

秋の美肌のために望月さんが提案するのは、食事を見直すことです。

「食事は体をつくる元になるもので肌とも密接に関わっています。

単純に言えば、水分が足りなければ体は乾いてしまいます。また、体をつくるもととなり、潤いを保つのはたんぱく質(主にコラーゲン)であり、たんぱく質の吸収を促すビタミンCも必要です。

さらに、細胞膜の主成分でもあり肌のバリア機能を高める脂質、粘膜を強化するビタミンAなど、たくさんの成分が関わっており、これらの栄養素がお互い助け合って働くことで、健康で美しい肌をつくることができます」(望月さん)

暑さから食べやすいものを食べているうちに、食生活が偏ってしまってはいないでしょうか。これも美肌の敵。

「必要な栄養素が摂れなくなったり、過剰になったりすればホルモンバランスの乱れやターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れ、乾燥肌や脂性肌といった肌荒れが起こりやすくなります。

麺類中心の食事、ファストフードや菓子などの食べ過ぎは、脂質や糖質、塩分に偏りやすく、それらの栄養素の代謝に欠かせないビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が不足しがちです。肌荒れや肌老化、乾燥肌などを招きます」(望月さん)

”食欲の秋”に肌を回復させよう

健康で美しい肌を回復させるために、意識して摂りたい栄養とは何でしょうか。

「肌のもとになるたんぱく質はもちろん、抗酸化作用が高く新しい細胞を再生したり、細胞の老化を防ぐビタミンACE(エース)を意識して摂るとよいでしょう。

秋はおいしい食べ物もたくさんあり、旬のものは栄養価が高いので、旬のものを選んで食べるのがおすすめです」(望月さん)

秋の美肌におすすめの食材

たんぱく質とビタミンACEが豊富な、おすすめ食材を紹介していただきましょう。

【特におすすめの食材】
▼鮭
秋に人気の「鮭」はおいしくて、ヘルシーな食材です。

「たんぱく質も豊富で、特に抗酸化作用の高い『アスタキサンチン』が豊富に含まれています。アスタキサンチンは肌のバリア機能を高め、保水力を維持し乾燥を緩和すると同時に、皮膚粘弾性、肌理(キメ)に対する効果が期待できます。

特に鮭の皮にはアスタキサンチンはもちろん、脂質代謝を促すビタミンB2や細胞を活性化させるコラーゲンも含まれています」(望月さん)

▼きのこ類
マツタケ、シイタケ、シメジ、マイタケ、ナメコなどのきのこ類もおすすめ。

「食物繊維が多く、腸内環境を整え美肌を促します。またたんぱく質の代謝を助けるビタミンB6や脂質の代謝を助けるビタミンB2などが多く細胞の新陳代謝を高め、ターンオーバーを整える働きがあります」(望月さん)

▼果物
キウイフルーツ、ぶどう、いちじく、りんごなど。

「キウイフルーツは、コラーゲン生成を促すビタミンCや腸内環境を整える食物繊維が豊富で美肌に働きかけます。グリーンキウイは食物繊維が、ゴールドキウイはビタミンCがより多く含まれています。

最近はルビーレッドというポリフェノールの一種『アントシアニン』が多い赤いキウイもあり、肌の老化を予防したり、コラーゲン生成を促し肌の弾力性を保つ働きが期待できます。

秋の果物では、皮や種ごと食べられるぶどうやいちじく、りんごなどは抗酸化作用の高いポリフェノールも豊富なので、おすすめです」(望月さん)

冬を前に元気な肌を

乾燥や冷えが厳しくなっていく冬にかけては、食事以外にも気をつけたいことがあります。

「秋は1日の寒暖差が激しく体調管理が難しい季節でもあります。疲れが溜まると肌にも悪影響が出やすいので、湯船にゆっくり浸かったり、睡眠をしっかり取り、体をきちんと休ませることも大切です。

また、気温が低いとついつい水分摂取を忘れがちになりますが、空気が乾燥していると肌から水分が蒸発して乾燥を招きやすいので、こまめ水分補給をしましょう。2時間おきに200mlを目安に、白湯などで水分摂取をして体を潤してください」(望月さん)

美肌のための食事術は、地道に取り組むことで効果が上がっていくといいます。ていねいな生活で、健やかな肌を守りたいですね。


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