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台風21号は来週になると進路が北へ 沖縄に接近しさらに北上も

ウェザーニュース / 2024年10月25日 18時0分

ウェザーニュース

10月25日(金)15時現在、大型の台風21号(コンレイ)はマリアナ諸島を北西に進んでいます。勢力を少し強めながら西に進み、29日(火)には暴風域を伴う見込みです。その後は北寄りに進路を変えて、強い勢力となって沖縄に近づくおそれがあります。

▼台風21号 10月25日(金)15時
 中心位置   マリアナ諸島
 大きさ階級  大型
 強さ階級   //
 移動     北西 25 km/h
 中心気圧   996 hPa
 最大風速   18 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 25 m/s


高気圧の勢力が進路の鍵に

現在、日本の南の海上には上空の高気圧が勢力を広げているため、台風はしばらくの間、高気圧の南の縁を沿うように西に進むとみられます。

台風が沖縄の南まで進む29日(火)〜30日(水)になると高気圧の勢力が少し東に後退する予想となっていて、その場合は台風が北へ進路を変える可能性が出てきます。

もしそうなった場合には強い勢力で沖縄・奄美に近づいて台風の影響が大きくなる見通しです。今後の進路の情報に注意してください。

コンピューターシミュレーションの計算は北上が多数派

参考 世界各国の気象機関が計算した進路の数値シミュレーション結果

この図の細い線1本1本は、世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法による低気圧中心の計算結果で、初期値に意図的な誤差を与えることで予報の確実性などを検討する材料になります。

これらを比較すると、沖縄の南に西進する傾向は概ね揃っているものの、その後はコースにばらつきがあることがわかります。現時点では本州の南を東進するコースを予測するコースが多数派で、南シナ海方面を予測するものはわずかです。

九州や本州にかなり近づく予測をしているものもあり、今度の動向に注意が必要です。

本州付近の前線が活発になる可能性

来週は本州付近に秋雨前線が停滞する予想で、この台風からの湿った空気が流れ込むと活動が活発になることが考えられます。

台風が沖縄の南に達する30日(水)頃は前線が本州の南岸に伸び、南東から湿った空気が送り込まれて雨雲が発達しやすくなる見通しです。

その後、台風が北上した場合は台風と前線の雲がまとまるような形になって広い範囲で雨が強まるおそれがあります。台風の進路によって影響が大きく変化することになりますので要注意です。

11月に本州接近は珍しい

平年の台風発生数

台風の発生は、22日(火)に発生した台風20号以来で、今月に入ってから3つめです。10月の台風発生数の平年値は3.4個で、ペースは概ね平年並みといえそうです。

11月になると日本に近づく台風は大幅に減少し、1951年以降で本土(北海道、本州、四国、九州)に接近したものは3つしかありません。ただ、1990年の台風28号は上陸していますので、油断は禁物です。


台風の名前

北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風21号の名前「コンレイ(Kong-rey)」はカンボジアが提案した名称で、クメールの伝説上の少女の名前/それが元になった山の名前からとられています。

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