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台風21号が非常に強い勢力で沖縄接近へ その後も北上のおそれ

ウェザーニュース / 2024年10月26日 17時45分

ウェザーニュース

10月26日(土)15時現在、大型の台風21号(コンレイ)はフィリピンの東を時速35kmで西に進んでいます。明後日28日(月)頃から急速に勢力を強め、非常に強い勢力で沖縄に近づく予想です。

▼台風21号 10月26日(土)15時
 中心位置   フィリピンの東
 大きさ階級  大型
 強さ階級   //
 移動     西 35 km/h
 中心気圧   996 hPa
 最大風速   18 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 25 m/s


非常に強い勢力で沖縄接近か

マリアナ諸島で発生した台風21号は、日本の南に張り出す高気圧の縁を沿うようにしばらくは西寄りに進みます。

進路にあたる領域は海面水温が高く、発達に適した風の環境になる明後日以降は急速に勢力を強める見込みです。明後日28日(月)には暴風域を伴い、31日(木)には非常に強い勢力にまで発達するとみられます。

この頃から進路を北寄りに変えて、沖縄方面へと進む予想です。大型台風でなおかつ勢力が強いため、中心が離れているタイミングから影響が出てくる可能性があります。台風への備えは早めに進めるようにしてください。

沖縄に近づいた後はさらに北上の可能性

参考 世界各国の気象機関が計算した進路の数値シミュレーション結果

この図の細い線1本1本は、世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法による低気圧中心の計算結果で、初期値に意図的な誤差を与えることで予報の確実性などを検討する材料になります。

これらを比較すると、沖縄の南に西進する傾向は概ね揃っているものの、その後はコースにばらつきがあることがわかります。現時点の予測では本州の南を東進するコースが多数派ですが、台湾方面やその南を西進するコースを予想をしている計算結果もあります。

進路の鍵になるのは高気圧の勢力です。高気圧の勢力が弱い場合は早く転向し、南の海上を離れて通ります。強い場合は転向が遅くなって、その分だけ日本列島に近づく見込みです。さらに高気圧が強くなると、転向できずに西寄りに進むコースとなります。


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前線停滞し台風が離れていても雨が強まる

台風21号の北上前から本州付近には秋雨前線が停滞する予想で、台風からの湿った空気が流れ込むと活動が活発になることが考えられます。

台風が沖縄の南に達する29日(火)〜30日(水)頃は前線が本州の南岸に伸び、南東から湿った空気が送り込まれて雨雲が発達しやすくなる見通しです。

その後、台風が北上した場合は、台風と前線の雲がまとまるような形になって広い範囲で雨が強まるおそれがあります。台風の進路によって影響が大きく変化することになりますので要注意です。

台風の暴風域に入る確率

5日先までに台風の暴風域に入る確率が0.5%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁)
 沖縄本島地方
  本島北部・中南部 2 %
  慶良間・粟国諸島 3 %
  久米島      3 %
 宮古島地方     22 %
 八重山地方
  石垣島地方    27 %
  与那国島地方   14 %

11月に本州接近は珍しい

平年の台風発生数

台風発生数の平年値は、10月が3.4個、11月が2.2個と、まだ平年でも台風が発生する時期といえます。一方、11月になると日本に近づく台風は大幅に減少し、1951年以降で本土(北海道、本州、四国、九州)に接近したものは3つしかありません。

ただ、1990年の台風28号が11月末に本州に上陸した事例もあり、まだ油断は禁物です。もし今回の台風21号が日本に上陸すれば、統計史上2番目に遅い上陸ということになります。


台風の名前

北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風21号の名前「コンレイ(Kong-rey)」はカンボジアが提案した名称で、クメールの伝説上の少女の名前/それが元になった山の名前からとられています。

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