富士山はまだ初冠雪なし 統計開始から130年で最も遅い記録になることが確定
ウェザーニュース / 2024年10月27日 13時50分
静岡・山梨県境にそびえる富士山では、今季はまだ初冠雪の発表がありません。
これまでの最晩記録は2016年の10月26日だったため、1894年の統計開始以降の130年間で最も遅い記録になることが確実となりました。
これまでの最晩記録は2016年の10月26日
今季はまだ富士山で初冠雪が観測されていません。富士山の昨年の初冠雪は10月5日、初冠雪の平年日は10月2日、これまでの統計で最も遅かったのは2016年の10月26日だったため、今年はこの最も遅い記録を更新することが確定しました。
今季は先月北海道の利尻山で初冠雪が観測されたほか、先週の20日(日)〜21日(月)に北海道〜東北南部の山々で初冠雪の観測がありました。
富士山の山頂では、9月23日に今季初めて氷点下の気温になり、10月上旬からは氷点下になる日が増えてきました。しかし、今秋は冬型の気圧配置の頻度が低く、雪が積もるほどのまとまった降水と気温の低下のタイミングが合わずに、なかなか冠雪とならないようです。
2016年、実は9月に雪化粧していた
富士山における初冠雪は、その年の最高気温を観測した日以降に、甲府地方気象台から冠雪が確認できたときに発表されます。冠雪の確認は「山の全部または一部が、雪または白色に見える固形降水(雹など)で覆われている状態を下から初めて望観できたとき」を指します。
富士山の麓や静岡県側から雪化粧が見えたとしても、山梨県甲府市にある甲府地方気象台から富士山の冠雪の様子が見えないときには初冠雪は発表されません。以前は河口湖測候所も同様に観測、発表をしていましたが、2003年9月に河口湖測候所の有人化業務が終了した以降は甲府地方気象台に一元化されています。
これまでの最も遅い初冠雪が記録された2016年も、実は9月25日の朝に静岡県側や山梨県の富士吉田などからは雪化粧をした富士山が見られ、ウェザーニュースアプリにもたくさん写真が寄せられていました。統計として記録されないのはしかたがありませんが、麓からは早くに冬の装いが見られていたことになります。なお、独自に「初雪化粧」を観測している山梨県富士吉田市役所からも、9月25日に初雪化粧が宣言されていました。
一方、今年は現時点でウェザーニュースアプリの利用者からの目撃情報も、富士吉田市からの初雪化粧宣言もなく、正真正銘の最も遅い記録となりそうです。
この先の予想は
今夜から明日28日(月)にかけて、秋雨前線の影響で富士山周辺でも降水がある予想です。山頂付近の気温は最低で0℃前後の予想のため、雪は降ったとしても積もるかどうかは微妙なところです。
この先一週間は雨の降るタイミングは予想されるものの、目立った寒気の流れ込みはなく、気温は0℃前後で推移する見通しです。冠雪の可能性は否定できませんが、可能性が高いとまでは言えません。
11月5日頃になると寒気の影響を受けやすくなるため、降水があれば雪化粧をする可能性は高くなりそうです。雪が積もったあとに晴れて見通しが良くなれば、いよいよ初冠雪になりそうです。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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