台風21号は急速に発達し強い勢力に 沖縄・先島は荒天に警戒を

ウェザーニュース

10月29日(火)9時に大型の台風21号(コンレイ)は強い勢力となりました。今後は北西に進む見込みで、月末の31日(木)には沖縄・先島諸島の南を通り、台湾方面に進む可能性が高くなっています。その後は温帯低気圧に変わるものの、西日本や東日本で大雨をもたらすおそれがあります。

▼台風21号　10月29日(火)9時
　中心位置　　　フィリピンの東
　大きさ階級　　大型
　強さ階級　　　強い
　移動　　　　　西北西　15 km/h
　中心気圧　　　965 hPa
　最大風速　　　35 m/s (中心付近)
　最大瞬間風速　50 m/s

雲の渦が明瞭になり台風の目も

昨日から今日にかけて急速に発達し、ほぼ円形の雲の渦を形成してきました。中心付近には台風の目が現れ始めています。

昨日9時の時点で985hPaだった中心気圧は965hPaまで低下し、最大風速は25m/sから35m/sへと強まりました。

進路にあたる海域は台風の発達に適した環境になっているため、今後も勢力を強める見込みです。明日30日(水)9時には中心気圧が945hPa、明後日31日(木)9時には中心気圧が925hPa、中心付近の最大風速が50m/sと非常に強い勢力にまで発達します。

月末は沖縄・先島諸島を中心に暴風雨に警戒

台風が勢力を強めることにより、少し進路からは離れていても沖縄では先島諸島を中心に台風の接近前からうねりを伴った高波で大しけになります。

すでに風も強まっていて、29日(火)9時30分までの最大瞬間風速は与那国島で19.8m/s、宮古島で17.9m/sを観測しました。台風が近づくに連れて風はさらに強まり、大荒れとなる見込みです。食料の確保や暴風・停電対策など早めに進めるようにしてください。また交通機関への影響にも注意が必要です。

台風は台湾付近を通過しながら急速に勢力を弱め、北から東寄りに進路を変えながら2日(土)9時までには東シナ海で温帯低気圧に変わると予想されています。

台風の暴風域に入る確率

5日先までに台風の暴風域に入る確率が0.5%以上の府県予報区は以下の通りです。（気象庁）
　八重山地方　
　　石垣島地方　　15 %
　　与那国島地方　22 %

低気圧になって前線を刺激　西日本など大雨のおそれ

本州付近には秋雨前線が停滞していて、台風から変わった低気圧が前線と一体化して、西日本や東日本の広範囲に雨を降らせる見込みです。西日本では11月1日(金)から雨が降りはじめ、2日(土)には東日本へも雨のエリアが拡大します。

もともとは台風だったこともあり、大量の暖かく湿った空気を運んで来るため秋雨前線の活動が活発化すると考えられます。特に湿った空気の流れ込みが強まる西日本を中心に、11月1日(金)〜2日(土)頃は雨雲が発達して大雨となるおそれがあるため警戒が必要です。東日本でも雨の強まるところがあるとみられます。

台風の進路や進行速度、発達・衰弱の予想についてはまだ不確実性があり、その勢力や進路によっては秋雨前線に与える影響や雨のタイミングなども変化する可能性があります。引き続き、最新の情報をこまめに確認するようにしてください。

台風の名前

北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風21号の名前「コンレイ（Kong-rey）」はカンボジアが提案した名称で、クメールの伝説上の少女の名前／それが元になった山の名前からとられています。