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旬を迎えたりんご 皮付きと皮なしで栄養価はどう変わる?

ウェザーニュース / 2024年11月5日 13時0分

ウェザーニュース

りんごが今年も旬を迎え、青果店やスーパーマーケットの店頭に全国からさまざまな品種が並ぶようになりました。

りんごは甘さと微妙な酸っぱさが混じり合った味はもちろん、皮付きのまま丸かじりしたりきれいにむいたりなど食べ方による食感の違いも楽しめるうえに、栄養バランスの取れた食べ物です。

ウェザーニュースで実施したアンケート調査では、りんごを切って食べる時には、「皮ごと食べる」人の割合が30.7%、「皮をむいて食べる」が69.3%という結果でした。

皮をむいて食べる人の方が多数派のようですが、皮付きと皮なしでどんな違いが生じるのでしょうか。

りんごの栄養について、青森のりんご生産者団体、りんご産地市場などが運営するバーチャル大学「りんご大学」の三上聖華(みかみ・さとか)さんに徹底分析して頂きました。

りんごの栄養成分と健康効果

りんごはおいしさと食感のよさを楽しめる果物で、栄養豊富な食べ物という印象は一般的にそれほど強くありませんが、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。

「りんごは可食部の83.1%が水分、16.9%が『栄養等』とされ、特にカリウムが豊富に含まれています。カリウムには脳卒中などの原因のひとつである血圧上昇につながる、塩分(ナトリウム)の排せつを促す効果があります。利尿効果もありますので、むくみの解消にも役立ちます。

カリウムは食材を調理する際に溶け出し失われやすい性質ですので、生のまま食べられるりんごは、カリウムを摂取するのに適しています。

また、りんごにはペクチンなど水溶性と、セルロースなど不溶性の食物繊維が、共に多く含まれています。

食物繊維は便秘の予防に加えて、糖質・脂質の体内への吸収を遅れさせたり、発がん性物質等などの体外への排出を促進させたりという整腸効果をもっています。さらに、大腸内でのビフィズス菌など『善玉菌』の増加促進、悪玉コレステロール(LDL)の上昇を抑える働きもあります。

これらの成分が豊富に含まれていることから、りんごは生活習慣病を予防する効果がある食べ物だといえるでしょう」(三上さん)

りんごは甘く満腹感のある果物ですが、カロリーの接種過多にはならないのでしょうか。

「りんごの甘さは『果糖』によるものですので、『糖質による甘さ=高カロリー』にはつながりません。果糖は、はちみつなどにも含まれる天然の糖のなかで最も甘味度が高く、甘さは砂糖の1.2~1.7倍。すっきりとした甘みも特徴です。

実際に皮付き・生のりんごのエネルギーは、可食部100gあたり56kcal(キロカロリー)、1個(約300g)あたりに換算しても168kcalで、ご飯1杯分(150g)の234kcalやポテトチップス1袋(60g)の325 kcalよりも抑えられる、低カロリー食品といえます。

また、果糖はいちどブドウ糖に変換されてから体内に吸収されますので、砂糖に比べて血糖値が上がりにくいといわれています。

りんごは1日に中玉1~2個が適量で、毎日食べると、“身体の調子がとてもよく、体内がデトックスされている”ように感じるといわれています」(三上さん)

皮付きと皮なしでどう変わる?

りんごの栄養分を効果的に摂取するには、皮付き、皮なしのどちらで食べるのが適しているのでしょうか。

「りんごの皮にはカリウムやペクチンに加えて、生活習慣病やがん予防に効果が期待できるとされるポリフェノールも実に比べて多く含まれているため、皮ごと食べるほうが健康にいいとされています。

ポリフェノールは、老化の原因である活性酸素を抑える抗酸化作用も促進させます」(三上さん)

皮付きでも食べやすい切り方

水平にお好みの厚さでスライスした「スターカット」

おすすめのりんごの食べ方も教えてもらいました。

「まず、『丸かじり』です。先に述べた皮に多く含まれる成分の接種に加えて、歯のすき間にたまった歯垢(しこう)が取り除かれて、歯を清潔に保つ歯磨き効果もあります。さらに、硬いりんごをよく噛んで食べると歯や歯茎が丈夫になることから、欧米ではりんごを『自然の歯ブラシ』と呼んでいるほどです。

『すりおろし』は、血栓症の予防などに効果があるペクチンが摂取しやすく、刺激が弱く食べやすいので、風邪をひいたときや病人食、離乳食に最適です。

『りんごジュース』もおすすめです。ジュースにすると、すりおろし同様にペクチンが吸収されやすくなったり、胃液の分泌を高めることで鉄分の吸収を高めたりしてくれるので、貧血の予防に効果があるとされています。

丸かじりとジュースは、品種によるさまざまな味の違いを楽しむこともできます」(三上さん)

切り方にもおすすめがありますか。

「皮付きでも食べやすいのは『アップルカッターを使う』ほか、次のような切り方がいいでしょう。

りんごをよく洗い、上から芯を避けて縦に、左右両方を同じように平たく切ります。平たい形になったりんごの左右を切って、真ん中の芯の部分は捨てます。最後は初めに切った左右部分を4等分ほどにそれぞれカットすれば出来上がり。約10個に切ることができます。

“皮をむくのがめんどう”“皮ごと食べるのは苦手”という方にも、特におすすめなのは『スターカット』です。

りんごを水平に、お好みの厚さでスライス(輪切り)するだけです。芯の部分を指でつまんで食べれば、皮の食感も気になりません。りんごを輪切りにすると、真ん中に星の形が現れることが名前の由来です」(三上さん)

おいしく栄養たっぷりで健康にもいいというりんご。さまざまな品種を違った食べ方や切り方で、旬を味わってみてはいかがでしょうか。


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