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二十四節気「立冬」 秋分と冬至のちょうど中間

ウェザーニュース / 2024年11月7日 5時0分

ウェザーニュース

11月7日(木)から、二十四節気(にじゅうしせっき)の「立冬」に入ります。暦の上では、この日から冬になります。

秋分と冬至のちょうど中間にある立冬。その立冬とは、どんな時季なのでしょうか。

立冬~季節の言葉「木枯らし/凩」

「木枯らし」も「凩」も「こがらし」と読みます。「凩」は日本で作られた漢字、つまり国字です。

木枯らし(以降は「木枯らし」と表記)は木を枯らす風という意味で、秋の終わりから冬の初めにかけて吹く、強く冷たい風です。

今年は東京地方、近畿地方ともにまだ発表されていません。

例年は立冬のころに観測され、「冬の使者の訪れ」と考えることもできます。

冬の到来を告げる木枯らしは、同時に今年一年が残り少ないことも教えてくれます。

残りの日々を気を引き締めて過ごそう。そんなことを意識させてくれる風でもあります。

立冬って、どんな時季?

◆霜柱(しもばしら)が伸びる時季

霜柱は地表にできる細い氷の柱です。地中の水分が地表で凍って、地面から土を押し上げるように、上のほうに伸びてきます。

最近、霜柱を見ていないな、踏んでいないな、という人も多いのでは? それは、舗装された道路が多くなったことも関係していそうです。

「サクッ、サクッ」という、霜柱を踏む音をどこか懐かしく思う人もいるでしょう。

◆榎茸(えのきたけ)は冬の季語

多くのキノコは秋の季語になっていますが、「榎茸」は冬の季語です。野生の榎茸は、晩秋から初冬に生え始めるからです。

市場に出回っている榎茸は、もやしのような白っぽい色ですが、本来の姿はまるで異なり、茶色く、傘は5cmほどの大きさになるといいます。

◆卵がいっぱいの柳葉魚(ししゃも)

柳葉魚は回遊魚で、11月ごろ、群れをなして川をさかのぼり、産卵します。このころの卵がいっぱい詰まったメスが「子持ち柳葉魚」です。

アイヌ民族の間には、散りゆく柳の葉を神が憐(あわ)れんで魚にしたという伝説があります。その魚が柳葉魚です。

柳葉魚という名も、アイヌ語の「ススハム」、または「シュシュハム」が由来であるといわれます。

柳葉魚は漁獲量が少なく、非常に高価です。そのため、柳葉魚の近縁の「カラフトシシャモ(カペリン)」が代用品として輸入されています。現在、柳葉魚として流通している魚は、ほとんどカラフトシシャモです。

◆冬なのに「小春(こはる)」!?

春を思わせるような、冬の初めの暖かい気候を「小春」といいます。

春を思わせる初冬の風は「小春風(こはるかぜ)」、穏やかでうららかに晴れた初冬の空は「小春空(こはるぞら)」、春のように暖かく晴れた、初冬の天気は「小春日和(こはるびより)」。どの言葉にも、優しいぬくもりが感じられます。


木枯らしが吹きつける日がある一方で、柔らかな小春風が頬をなでる日もある立冬。

今年は記録的な高温傾向が続いていましたが、そろそろ寒くなってくる見込みです。小春日和にゆっくり散策してみてはどうでしょうか。さわやかな気持ちになり、心身の疲れが和らぐかもしれません。



監修
山下景子:作家。『二十四節気と七十二候の季節手帖』(成美堂出版)や『日本美人の七十二候』(PHP研究所)など、和暦などから日本語や言葉の美しさをテーマとした著書が多数ある。

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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