季節の変わり目は要注意! 寒暖差疲労が緩和・回復する3つの方法
ウェザーニュース / 2024年11月14日 9時30分
このところ体がだるい、頭痛やめまいがする、お腹の調子が悪いなどの不調はないでしょうか。休んでもなかなか元気が出ないのは「寒暖差疲労」かもしれません。
ウェザーニュース天気痛顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生は、「いつも以上に不調を訴える患者さんが多い」と心配しています。
それには今年の異常とも言える気象が深く関係しているといいます。寒暖差疲労から回復するための方法を教えていただきましょう。
この秋、寒暖差疲労が増加!?
寒暖差疲労とは、急激な温度変化によって体にさまざまな不調が生じるものです。
「寒暖差疲労は、寒暖差が7℃以上になると生じやすいとされています。代表的な症状は、倦怠感や疲れやすさ、頭痛などのようないわゆる“秋バテ”の状態ですが、めまいや眠気、腹痛、下痢、肩こりなど、多様な症状が現れます。
さらには気持ちの落ち込みなどうつ気分や、寝つきが悪い、熟睡できないといった睡眠障害もあります」(佐藤先生)
この秋に寒暖差疲労が心配されるのは、今年の気象の変化にあります。
「季節の変わり目は寒暖差疲労で天気痛が起こりやすくなるものですが、今年はより体への負担が大きくなっています。
11月に入って一時的に寒くなったと思えば、再び20℃を超えて長袖では少し暑く感じる陽気になるなど、体が慣れる暇がありません。
日中の気温は高くなっても夜は冷え込み、1日のうちの寒暖差も大きいです」(佐藤先生)
こんな人は要注意
寒暖差疲労が心配なのは、どのような人でしょうか。
「女性、そして冷え性や汗っかきなど体の調節が苦手な人、乗り物酔いを起こしやすい人などです。季節の変わり目はいつも体の調子が悪くなるというのなら、用心した方がいいでしょう。
ただ、今年は夏の異常な暑さの影響で自律神経がかなり“疲れて”います。ふだんなら元気に過ごせるタイプの人でも、自律神経の乱れから不調を起こして不思議はない。何か異変を感じるようなら、回復のために対策をおすすめします」(佐藤先生)
寒暖差疲労の3つの回復術
寒暖差疲労を回復させるのには、どうしたらよいのでしょうか。
「自律神経の乱れを整えていくことです。基本的なこととして、体内時計を整えること、適度な運動、入浴の工夫などが大切です。
体内時計とは、体温や血圧、臓器など体内環境を昼夜に合わせて調整する働きですが、体内時計が乱れると自律神経にも悪影響が及びます。朝は日の光を浴びる、朝食を食べるなどしてしっかりリセットし、整えるようにしましょう。
適度な運動で代謝をよくすることは、自律神経を整えるのに役立ちます。軽いウォーキングやジョギング、サイクリングなど、体を動かす習慣をつけましょう。
入浴も、自律神経を整えるのに役立つ習慣です。シャワーですませてしまうのではなく、39〜40℃ぐらいのぬるま湯に5〜10分ほど浸かるようにします」(佐藤先生)
さらに次の3つを行うと、寒暖差疲労の症状の緩和や回復に役立ちます。
▼くるくる耳マッサージ
1つめは、簡単なマッサージです。気圧センサーのある内耳の血行をよくすることで、寒暖差疲労の不調を改善するのに役立ちます。
(1)親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横に、それぞれ5秒ずつ引っぱる
(2)耳を軽く横に引っぱりながら、後ろ方向に5回、ゆっくりと回す
(3)耳を包むように折り曲げて、5秒間キープする
(4)手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりと回す。これを5回行う
▼1分呼吸法
2つめは、1日1分の呼吸法。深い呼吸をすることで自律神経のバランスを整えます。コツはお腹が膨らんだりへこんだりするのを意識しながら、ゆっくり行うことです。
(1)椅子に腰掛けて、肩の力を抜く
(2)6秒かけて、ゆっくり口から息を吐く
(3)1秒息を止め、次に3秒かけて息を吸う
(4)1秒息を止め、1〜3を繰り返す。
▼3首を温める
3つめは、首、手首、足首の3首を温めること。皮下の浅い部分に動脈がとおっているため、冷えると体温が下がりやすいのです。服装を工夫して冷やさないようにしましょう。
首:マフラー、ネックウォーマー、スカーフ
手首:アームウォーマー、長めの手袋、ファー付き手袋、袖の長い服
足首:レッグウォーマー、厚手の靴下
「天気の影響を受けやすい人は、日本に1千万人以上いるとされています。不調は軽いうちに対処するのが鉄則です。寒暖差疲労を感じたら、紹介した方法を実践してみてください」(佐藤先生)
寒暖差疲労から回復するためには、生活のなかに体を労わる術を取り入れていくことです。来週からは本格的に寒くなる日が増えてきます。冬を迎える前に、体を整えていきましょう。
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