ブラジル アマゾン川で過去最悪の干ばつ 降水量0ミリの地域も
ウェザーニュース / 2024年12月10日 10時0分
ブラジルのアマゾン川が過去最悪レベルの深刻な干ばつに見舞われています。河川の水位低下に加え、森林火災も頻発しています。
川が干上がり森林火災が頻発
アマゾン川最大の支流の一つであるネグロ川が、この時期としては記録的な低水位となっています。ネグロ川の水位はアマゾナス州マナウス市付近で監視されていて、ちょうどアマゾン川の本流と合流する地域です。ブラジル国立水・基礎衛生庁(ANA)が11月に出した最新情報では、ブラジルの領土の100%が干ばつ状態であるとされています。ブラジルでは2023年にも深刻な干ばつが発生していましたが、今年はそれを上回る深刻さになっています。
この干ばつの影響で、森林火災も多発しています。アメリカの非営利団体(RAINFOREST FOUNDATION US)によると、2024年8月末までに65,000を超える火災ホットスポットがあり、2005年の監視開始以降で最多となっています。
ウェザーニューズの気候テックチームが解析したところ、アマゾン川の上流地域であるフォンテボアやイタクアチアラでは2022年以降、降水量が激減していて、降水量が0mmとなっている月もありました。
農作物の被害も甚大 日本への影響は?
深刻な干ばつにより農業への影響も大きくなっています。ブラジルで生産が盛んなオレンジは、高温と作物への感染症の蔓延により、著しい収量減少が発生しています。これにより、世界のオレンジジュースの価格は2024年初めから50%以上上昇し、2年前の約3倍の価格にまで達しています。日本はブラジルからコーヒーやトウモロコシ、鶏肉など多くの食品や原材料を輸入しています。日本で暮らす私たちにとっても他人事ではありません。
干ばつの原因は複合的ですが、地球温暖化の影響も関係していると考えられます。温暖化を考慮したシミュレーションでは、気温上昇により蒸発量や発散量が増加することが予測されています。そこに小雨が重なると、深刻な干ばつになると可能性が高まります。これまで多雨地域として知られていたアマゾン川流域では温暖化の進行に伴って雨量が減ることも予測されているため、干ばつが頻発化・深刻化すると懸念されています。
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。
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