2024年の紅葉調査結果 秋の高温で色づき遅れる 鮮やかさにも影響
ウェザーニュース / 2024年12月13日 12時5分
沖縄を除く全国のウェザーニュースアプリのユーザーに、今年の紅葉の見頃時期と鮮やかさがどうだったかを伺いました。
調査概要質問:「今年の紅葉の鮮やかさ、どうだった?」
調査日:2024年12月3日〜4日
回答者数:9,602人
選択肢:例年通り鮮やか、例年以上に鮮やか、例年より劣る
質問:「今年の紅葉の「時期」はどうだった?」
調査日:2024年12月3日〜4日
回答者数:9,827人
選択肢:早かった、遅かった、普通
■ポイント■
・8割以上が見頃時期「遅かった」と回答・4割以上が鮮やかさ「例年より劣る」と回答
・夏から秋の高温と日照不足が原因か
8割以上が見頃時期「遅かった」
2023年・2024年 見頃時期のアンケート調査結果
ウェザーニュースアプリ利用者へ紅葉の見頃時期がどうだったかについて伺ったところ、北海道を除いた東北以南のエリアで「遅かった」という回答が7割以上を占め、全体でみると8割以上が「遅かった」と回答しています。
前年2023年も「遅かった」と回答した人が多くなりましたが、今年はそれ以上に遅いと感じた人が多くなっています。
名所への取材結果も東北以南で「遅かった」
2024年 名所への取材結果
ウェザーニュースが毎年行っている全国の紅葉名所への取材結果でも、北海道では「普通」、東北以南では「遅かった」が多数を占める結果に変わりはありませんでした。
過去5年以上紅葉の色づきについて取材している紅葉名所のうち、見頃日が取材開始以来最も遅くなった地点は東北〜九州で25%以上となりました。特に、甲信や北陸、東海は40%以上、近畿や中国は50%以上と、非常に多くなっています。
色づき時期の高温が影響か
最低気温の平年差平均の推移(北海道・東北・関東・近畿・九州)
葉の色づきを左右する大きな要因は「冷え込み」です。木によって個体差はありますが、最低気温が約8℃以下になると紅葉が始まると言われています。
東北は特に10月下旬にかけて、東日本や西日本は11月中旬にかけて最低気温が平年より高い傾向が続きました。そのため葉の色づきに必要な冷え込みが十分でなく、見頃時期が遅れたと考えられます。
北海道は寒気の影響を受けた時期があることや、高気圧に覆われやすく晴れた日の放射冷却が効いたことで色付きが順調に進み、多くの地点で平年並の見頃になったと考えられます。
11月下旬になってようやく周期的に寒気が流れ込むようになり、平年に近い冷え込みの日が増加しました。平年12月上旬に見頃を迎える関東の名所は、寒気の影響で平年通りの時期に見頃を迎え、「遅かった」の割合が他のエリアより少なくなったと考えられます。
4割以上が鮮やかさ「例年より劣る」
2024年 鮮やかさのアンケート調査結果
今年も「例年より劣る」の割合がかなり多く、各地で40〜50%にのぼっています。特に四国、九州では「劣る」の割合が最も多くなりました。
鮮やかな紅葉になるためには、秋に適度な日差しと雨があり、気温がしっかりと下がることが必要です。2015年から実施しているの紅葉調査の結果から、見頃日直前の気温が低いほど鮮やかさは増す傾向が見られています。また、夏の天候は葉の育ち具合や痛み具合を左右し、色付きの良さに影響を与えます。
高温と日照不足が原因に
今年も夏、秋ともに記録的な高温となり、特に秋は東日本や西日本で観測史上最も暑くなりました。
記録的な猛暑や秋のはじめにかけて晴れた日が多かった影響で、葉が焼けたり、個々の葉の色付くスピードがバラバラになった木があったと考えられます。一方で、「例年通り鮮やか」と比較的回答が多かった北海道に関しては、秋の高温傾向は他のエリアに比べるとやや落ち着いており、例年通りの鮮やかさを感じられたようです。
また、鮮やかさが「例年より劣る」の回答の割合が顕著に増加した九州南部では、10月,11月ともに低気圧や前線の影響を他のエリアより受けやすくなっていました。月別で比較すると、日照時間は10月,11月ともに平年より短い傾向で、降水量は10月に平年より多く、11月は少ない傾向です。
適度な日照と降水をバランス良く摂取できなかったことで、鮮やかさが「例年より劣る」回答が増えたと考えられます。
紅葉の時期や色づき具合は夏〜秋の天気が大きく影響しているようです。春に見頃となる桜も、同様に冬の気温などが時期や見栄えに影響を与えるといいます。
来年以降の紅葉の様子も引き続きみなさんと追っていきたいと思います。
出典・参考
平均気温の平年差、日照時間の平年比:気象庁HPより
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