朝起きると、喉(のど)がイガイガ! 就寝中に乾燥から喉を守るためには?
ウェザーニュース / 2025年1月16日 5時20分
年明けから日本上空には強い寒気が居座り、日本海側では大雪となりました。太平洋側でも雪となった地域もありましたが、空気の乾燥は続いています。朝、目覚めたときに喉(のど)のイガイガに悩まされることはないでしょうか。
ウェザーニュースが2024年12月19〜20日にかけて「起きた時、喉の乾燥を感じた?」というアンケート調査を実施しました。
その結果、北陸と沖縄では「感じなかった」という回答が多数を占めた一方で、その他の地域では「強く感じた」を含めて喉の乾燥を感じている人の割合が7割近くに上ることが分かりました。
イシハラクリニック副院長・石原新菜先生によると、「冬の環境は喉に厳しいものです。特に乾燥の続く地域では、喉に不調が現れることが増えるかもしれません」
不快なイガイガを防ぎ、元気に過ごすため自分でできるケアについて教えていただきましょう。
朝の辛いイガイガ、なぜ?
寒い季節、起床時に喉がイガイガして辛いことはないでしょうか。小さなことのようですが、喉の症状を放置しない方がいいと石原先生はアドバイスします。
「口や鼻はウイルスや細菌などが体内に侵入し悪さをする際の“入り口”の1つです。喉の痛みなど不快感は、さまざまな原因がありますが、今の時季に多いのは呼吸器感染の初期症状です。空気が乾燥や冷えなどにより、喉の防御機能が低下してウイルスや細菌に感染しやすくなってしまうのです。
呼吸器感染を防ぐためにも、日頃からケアを心がけるようにしましょう」(石原先生)
イガイガ対策3つのポイント
就寝中は水分や喉飴などで喉を潤すことができません。そのため、次のような対策で乾燥から喉を守りましょう。
(1)部屋の温度と湿度に注意
今の季節の冷えと乾燥は体に負担となってしまいます。
「人にとって快適なのは、温度20〜22℃、湿度50〜60%の環境です。暖房器具や加湿器などを適切に使用して、室内の環境を保つようにします。室内に濡れタオルを干すのもオススメです。加湿器がない場所でも使え、こまめに洗濯できて清潔に保てます」(石原先生)
(2)口呼吸に注意
朝、喉がイガイガするのは、寝ている間に口呼吸になっている場合もあります。
「寝ているときに口が開いている、口が乾燥するなどの自覚があるなら、口が開かないよう横向きに寝たり、マスクをするなどしてみてもいいでしょう」(石原先生)
(3)口内環境に注意
口のなかや腸をよい状態に保つことも重要だといいます。
「口のなかの環境をよく保つために大切なものの1つが唾液です。唾液には洗浄作用があるほか、免疫物質を含んでいて、口のなかで悪い細菌などが増えるのを防いでいます。
唾液の量を増やすためには、口をよく使うことが大切です。唾液の分泌を促すためにも、日常生活で口のまわりの筋肉をよく使うなどの対策を心がけましょう。
舌苔がつきすぎないよう舌をきれいに保つのも、口内環境の改善に役立ちます」(石原先生)
体の免疫力を下げないためには?
感染症予防のためには、手洗い、うがいといった基本的な対策以外に体の免疫力を下げないことも大切です。そのためにも「“3つの首”を冷やさない」「腸内環境のケア」といった対策も心がけるよう、石原先生はアドバイスします。
「体を温かく保つことは、免疫力を高めるために重要です。特に意識したいのが、首、手首、足首の“3つの首”。太い血管が通っているので、ここを温めると血行がよくなります。手袋やハイネックの衣服などで冷やさないようにしましょう。
また、免疫力を保つためには腸内環境も大切です。人の免疫細胞の約7割は腸に集まっているとされています。今の季節は腸を冷やさないよう、冷たい飲み物や食べ物はなるべく控えます。また、腹巻きもお腹の冷え対策に効果的です。
腸内の善玉菌が増えるよう、発酵食品や食物繊維も意識して食事に取り入れるのもいいでしょう」(石原先生)
紹介したようなケアを行っていても症状が続く場合は他の原因の可能性もあります。
「喉のイガイガは、逆流性食道炎や他の病気の症状である可能性もあります。他の症状もあったり、違和感が続いたりする場合は病院を受診しましょう」(石原先生)
冬本番の寒さが続き、関東など太平洋側では乾燥も続いています。適切なケアで、健やかに過ごしましょう。
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