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冬が旬のほうれん草 茹でた後は水にさらす? えぐみを抜く処理法

ウェザーニュース / 2025年1月21日 5時10分

ウェザーニュース

冬採りほうれん草が旬を迎える時季になりました。茎が太くて緑が濃く、根元の赤みがぐっと増したほうれん草は甘みが強くとても美味です。

ウェザーニュースで「ほうれん草、好き? 嫌い?」というアンケート調査を実施したところ、「好き」と答えた人が全体の95%を占めました。

多くの人から支持されるほうれん草は、おひたしや和え物にする際に茹でて使いますが、茹でた後の処理に迷います。詳しい話を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

ほうれん草の「えぐみ」、正体は?

ほうれん草には独特の「えぐみ」があります。

「特に今の時季のほうれん草には多く感じられます。このえぐみの正体はシュウ酸ナトリウムです。

シュウ酸ナトリウムは、動物性食品にはほとんど含まれていませんが、野菜には含まれる物質で、ほうれん草はたけのこに次いで含有率が高い野菜です。

体内に摂り過ぎると尿路結石などの結石の原因になるので、なるべくシュウ酸ナトリウムは摂り過ぎないよう気をつけましょう」(吉田さん)

シュウ酸は水溶性、茹でて水にさらすのがベスト

シュウ酸ナトリウムを摂り過ぎないようにするにはどうすればよいでしょうか。

「シュウ酸ナトリウムは水溶性の物質です。茹でてから水にさらすと大部分が水に溶けてほうれん草から抜けていきます。

茹で方としては、まず根元に十字の切れ目を入れてから塩を入れて沸騰させた湯に根元を30秒浸け、その後全体を入れて30秒茹でます。その後冷水で1~2分さらして引き上げて水気を絞ればOKです。

さらしすぎるとビタミンなどの栄養成分が流れ出てしまうので注意しましょう。また根元には鉄分が豊富に含まれているので、根元を切り落とさずに使い切りましょう。

茹でずに電子レンジで加熱するだけだとシュウ酸ナトリウムを抜くことができません。茹でる場合と同様に水にさらしてください。

加熱せずに水に浸けるだけというやり方もありますが、冬のほうれん草は特にシュウ酸ナトリウムの含有量が多いので、茹でて水にさらすようにしましょう」(吉田さん)

一緒に摂ると吸収を抑える食材は

シュウ酸ナトリウムの吸収を抑える食材があるそうです。

「シュウ酸ナトリウムは腸内でカルシウムと結合し、便として排出される性質があります。そこで、ほうれん草を食べる際には、牛乳や乳製品、小魚、大豆製品などカルシウムの多い食品と一緒に食べると良いとされています。

たとえば、茹でて水にさらしたほうれん草の水気をしっかり切ってからしらすと和え、ごま油と塩を少々入れて味を調えれば、ほうれん草としらすのナムルができます。

またほうれん草のグラタンなら、ホワイトソースに牛乳を使い、上にチーズをのせればカルシウムたっぷりです。

今の時季のほうれん草は葉に厚みがあり茎がしっかりしていて甘みも強いので、ぜひいろいろな料理に使ってほしい食材です」(吉田さん)

冬のほうれん草は、夏の物に比べてビタミンCが約3倍多く含まれています。味も濃く、食べ応えもある冬のほうれん草を上手に摂って厳しい冬を乗り切りましょう。


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